秋葉原無差別殺傷事件 タイトル画像

1、はじめに

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みなさん、こんにちは。

お盆を過ぎても暑い夏が続いていますが、みなさんお元気でしょうか?月刊 精神分析 編集部A です。

今回の月刊精神分析は、本サイトでも、ある間隔をおいて継続的に取り上げている「秋葉原無差別殺傷事件」シリーズの4回目になります。

なぜ、今号で秋葉原無差別殺傷事件を取り上げる事になったかと言うと、秋葉原無差別殺傷事件の犯人、加害者である加藤智大(現在、死刑囚として収容中)君が、以前、出版した「」の続編?である「解+」を発行したからです。発売日は2013年4月12日。今年の4月には発行されていたのだが、私自身この本が出版された事を全く知らなかった。・・・それだけ話題にも何にもなってないのだが・・・ちなみに最初に加藤君が著した「解」の発行日は2012年7月15日だから9か月ぶりに死刑囚である加藤智大君が獄中から本を再度執筆した事になる。

今、現在、私自身はこの本を読んでいないし、Amazonのユーザーレビューも未登録である。私は、先に「秋葉原事件 加藤智大の軌跡」を執筆した中島岳志さんが「月刊 中島新聞2013年06月号 秋葉原事件5年目の総括」(ボット キャスト)という番組の中で「解+」が取り上げられているのを偶然にきいて初めてその存在を知る事になった。ただ、書籍の紹介サイトから本の目次をみることができる。そこから、彼の粘着質がわかるし、本の内容や彼の主張も粗方みてとれる。

商品名に「+」がついているもので私が連想するものは、その昔、SONYが発売していたVTR(ビデオテープレコーダー)の規格にベータ+と言うのがあったと記憶しているが、「+」はAdd、日本語的には付け加えるという意味が一般的であると思う。この場合、-(マイナス)の逆説の+(プラス)ではないので、「加える」の意味であろう。

「解」で一定の結論・・事件の防止策を示した加藤智大君がまだ伝えたりないなにかがあるのか?内容を予想しながら話を進めていこう。

参考リンク:中島岳志の「月刊 中島新聞」2013-6月号 ―秋葉原事件5年目の総括

最近の大手メディアは、「わかりやすさ」と「単純化」の区別がつかなくなっています。 複雑な問題を「YESかNOか」「賛成か反対か」といった二分法に還元し、「スピード感」を演出することで拙速に答えを出そうとしています。 「月刊 中島新聞」では、「単純化」と「スピード感」に徹底的に抗いたいと思っています。 敵を見つけバッシングし、あっという間に忘れてしまう現代に、異なる視点を導入したいと思っています。 本当のわかりやすさとは何か?今、じっくり考えてみなければならないテーマとは何か? なかなか大手メディアが取り上げないテーマに切り込みながら、お話をしていきます。今回のテーマは「秋葉原事件」。今年の6月8日で5年がたちました。 事件当初、多くの人が犯行の原因について語りました。 「派遣労働のせい」「ネット掲示板への依存」「おたく的性格」「友達がいなかったから」......。 しかし、加藤智大は裁判の中で、いずれの原因も「違う」と退け、「居場所にしていたネット掲示板に〝なりすまし〟や〝荒らし〟が現れて嫌だったということを当人たちにわからせるため」と述べました。 世の中は、事件の「大きさ」と犯行理由の「小ささ」のギャップを埋めることができず、その後、この事件をほとんど語らなくなってしまいました。 事件当初は大騒ぎしていた論客たちも、あっというまに思考することから手を引いてしまい、事件は放置されたままになっています。 まるで「ネタとしての賞味期限」が終わったかのように。 今回の放送では、加藤の歩みを振り返りながら、私なりに秋葉原事件が投げかけた問題を考えてみました。 5年前のあの日の問題は、3・11後、更に顕在化してきているように思います。 いっしょに「秋葉原事件」を見つめ直しながら、今という時代を考えてみませんか?中島岳志 [mp3:http://www.radio-cafe.co.jp/radimachimp3/201174_NakajimaSinbunPCast.mp3:月刊中島新聞 2013年6月号] この音源の高品質版を含む、上下巻セットはhttp://www.radiodays.jp/item_set/show/663よりどうぞ! 「月刊 中島新聞」今迄のアーカイブはhttp://www.radiodays.jp/series/show/52よりご確認頂けます。

平成25年08月26日 月刊 精神分析 編集部A

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2、解+を通読して

上記の「はじめに」を記述した後に早速Amazonに注文して解+(著者:加藤智大)を購入しました。

一気に読みました。「解+」の中で、秋葉原事件から5年が経過した今。刑務所に収容された加藤君が熟慮・熟考した後に認(した)めた本の内容に何か目新しいものがある事を期待して読み進めたのですが、見事にすかされました。^^

しかしながら、精神分析的視点で、彼自身も認識する事ができない無意識・コンプレックス(複合観念体)の構造・・いや一端でも明らかにしようと試みてきました私ですから、何点か気になる点がでてきました。本サイトに記録しておきます。読者の皆さんの考察のヒントになれば幸いです。

平成25年08月31日 月刊 精神分析 編集部A

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3、登場人物

加藤智大

加藤 智大(かとうともひろ)
1982(S.56)年生まれ
出身:青森県。
中日本自動車短大卒業。
2008年6月 東京・秋葉原で事件。
2011年3月 東京地方裁判所にて死刑判決。
2012年9月 東京高等裁判所(控訴審)にて死刑判決。
2013年4月 最高裁判所に上告中。
著書に「」「解+-秋葉原無差別殺傷事件の意味とそこから見えてくる真の事件対策」(批評社)。

解+出版の経緯について
2012年6月 「解」について、全面的に書き直そうとするも、間に合わず。
2012年7月 「解」出版
2012年7月 書き始める。
2012年12月 批評社に原稿を渡す。
2013年3月 校了。
2013年4月 「解+」出版。

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中島岳志

中島岳志(なかじま たけし)
1975(S.49)年生まれ
清風高等学校卒業。
大阪外国語大学外国語学部(ヒンディー語学科)卒業。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。
2009年1月、週刊金曜日編集委員に就任。
2010年『表現者』編集委員に就任。
2010年 朝日新聞書評委員に就任。
現在、北海道大学公共政策大学院准教授。
著書に「秋葉原事件 加藤智大の軌跡」(朝日新聞出版)。2011年3月 出版。

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惟能創理(いのうそうり)
日本初のインテグレーター(精神分析家)
編集部Aのスーパーバイザー 。

1951(S.26)年 埼玉県熊谷市に生まれる
1992(H.04)年 大沢精神科学研究所設立
1992(H.04)年 道越羅漢(みちおらかん)となのる
2008(H.20)年 LAKAN精神科学研究所に名称を改める
2008(H.20)年 惟能創理(いのうそうり)に改名する
著書紹介:
月刊精神分析 2009年01月号 運命は名前で決まる
月刊精神分析 2010年01月号 心的遺伝子論 産み分け法

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迎意愛近影

迎意愛(むかいあい)
精神分析家。シニフィアン研究所(埼玉県上尾市)主宰。1954年和歌山県生まれ
2011年10月より埼玉県在住。二女の母。
奈良教育大学卒業するも、教師にならず、営業職に就く。結婚、義母の介護。
物心ついた時から生きる意味を問いかけ、38歳の時、精神分析に出会う。
精神分析により、自己を知ることで、生きる意味を見出せると確信し、惟能創理氏に師事する。
女であることの素晴らしさと重要性を痛感し、自らも精神分析家(インテグレーター)となる。
自らの体験と「オールOK子育て法」を引っさげ、女たちよ賢明であれと全国を行脚するべく奮闘中。
連絡先:signifiant1@gmail.com

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安情共恵近影

安朋一実(やすともかずみ)
精神分析家。ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市)主宰。1958(S.33)年4月22日生まれ。
出身:滋賀県大津市。二女の母。
神戸親和女子大学児童教育学科(兵庫県神戸市)卒業。
会社勤務の後、結婚し専業主婦になる。
二女の子育てに悩み惟能創理先生の精神分析治療を受ける。
インテグレーター(精神分析家)養成講座を受講の後、独立開業。
現在、新進気鋭の分析家として、引きこもり不登校の子供を持つ母親を全力で支援している。
同研究所は「京都府ひきこもり支援情報ポータルサイト」の支援団体として登録。
メルマガ発行:子育てメールマガジン 育児法 引きこもり 家庭内暴力 非行 不登校
連絡先:lacan.msl@gmail.com
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編集部A(へんしゅうぶえー)
月刊精神分析(げっかんせいしんぶんせき)編集部員。
ラカン精神科学研究所福岡支所
1963(S.38)年3月12日生まれ
出身:福岡県福岡市。
コンピューター会社のシステムエンジニア。食品工場の生産管理業務に従事。
飲食店の経営、飲食店の営業職、旅客運送乗務員を経た後、月刊精神分析編集部。
宗教色の強い家庭に生まれ育つ。
中学校1年生の時にクラスの数人からいじめられ転校した経験がある。
二十代の頃、原因不明の疾病に苦しむが転地療法にて完治した経験から、心の作用に興味を持つ。
ひょんな切っ掛けから「精神分析」の世界を知り、約三年半色々な書籍を読み漁る。

現在「月刊精神分析」の編集に関わりながら、惟能創理先生のセラピーとインテグレーター養成講座を受けている。

性格分析:自己分析、コンピューターのSE(システムエンジニア)をしてきただけあって、緻密な作業ができるA型(血液型)人間である。自分の部屋はちらかっていても許されるのだが、漫画本の1巻から・・はきちんと順番通り並んでいないと気が済まない。物事は手順を考えて、1から順番に進めていく。よって「適当にやってみて駄目でした」という事は出来ない人で、やるからには成果が出ないとかっこ悪いと感じ、失敗を恐れるタイプである。
連絡先:lacan.fukuoka@gmail.com

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4、サンネット日記から

ネットで情報検索していてサンネット日記と言うブログの記述にまったく私の考えと同じのがあるのを発見した。(サンネット日記とはSAN NET 青森という特定非営利活動法人のブログ)。精神保健サービスを創ることを目的としているとの事。道理で心理学的なアプローチが秀逸。

あまりにも自分の考えとまったく一緒だったのでびっくりすると同時に、文章も私より上手い(-_-;)ので大変悔しいのだが・・以下に紹介する。

特に、加藤智大君が上野の駐車場に半月も車を駐車し続け、駐車場の管理人が連れて来た警察官に職質された時のエピソードの考察が素晴らしい。加藤智大君自身の語りと、中島岳志さんの解釈の分析は見事。

なんとなくサンネット日記 2013年5月27日 「解?」

2007年は偽装が流行語になった年だった。料理店が一度客に出した食材を使い回したり、菓子製造会社が賞味期限切れの材料を使用したりの事件が立て続けに報道された。年の漢字には「偽」が選ばれた。

そんな年の9月、10月、ある悩みを抱えたぼくは、ビルのベランダでタバコを吸いながら、通りの向こうに見えるアスパム(青森県観光物産館)をボーッとながめたものだった。

ちょうど同じ時期、アスパムのなかのジョブカフェに、やがて秋葉原無差別殺傷事件を引き起こす加藤智大が1,2回通っていた。これは、ぼくが今になって知ったことだ。彼とこの通りですれ違っていただろうことを考えると、複雑な思いになる。事件はそれから8か月余のちのことだった。

加藤被告は、2011年に東京地裁で死刑判決を受け、東京高裁に控訴したが2012年9月に棄却。現在、最高裁に上告している。彼は自らの考えを、『解』(2012年7月)と『解+(プラス)』(2013年4月)にまとめて、出版した(いずれも批評社)。『解+』の副題には「秋葉原無差別殺傷事件の 意味とそこから見えてくる真の事件対策」とある。加藤が考えた"事件の解答"である。

http://www.hihyosya.co.jp/ISBN978-4-8265-0578-9.html

彼は、事件の原因を多くの人が納得できるかたちで語ることができないと思ったのだろう。この本では、どうしたら事件を避けられたかについて述べている。彼は「対策」を簡単に要約されてしまうことを望んでいない。要約してしまえば、それはあまりにも「あたりまえ」のことであり、ほんとうの深刻さが伝わらないと思っているからだ。

彼はこう言う。楽しみを予定に入れ、自分を含めた誰かのためにやるべきことも予定し、自分の日常の枠組みを整える。思い通りにならないことは考えないことで、感情をリセットする、と。
 「おそらくは、大抵の人は無意識のうちに、自然に、そうなっているはずです。だから、多くの人は、この結論に『そんなことで?』と思うでしょう。その通り、『そんなこと』で事件は防げます(『解+』p181)

加藤は、なぜ事件を起こしたのかを自分に問うことを避け、どうしたら事件を防げたのかという方向むかって舵を切る。自分の内面を見つめることから、具体的な方策を探し出すことに目を向ける。ぼくには、そのように選択する仕方に事件の原因があり、同時に、そこが、彼とのコミュニケーションが擦れ違ってしまう点ではないかと思う。

社会学者の中島岳志は、『解』が出る前年、この事件についての本を出版。加藤には友達がいたのに、なぜ孤独だったかという問いを立てた。裁判を傍聴し、彼の半生と彼が移動した行程を追った。まとめたのが『秋葉原事件』(2011年3月、朝日新聞出版)である。加藤が次第に現実から撤退し、架空のキャ ラを成り立たせるため現実を過ごそうとする逆転が、自分自身を追い詰めていくメカニズムとして働き、事件へと追い立てられていったと読者に語りかけ、加藤との間に架け橋を渡そうとした。

http://www.npo-sannet.jp/blog/?p=1779

加藤は、この中島の本を読んだ気がする。そして二つの『解』はそのうえで書かれていると思う。
中島は、リアル世界に加藤を引きとめるすべがあるし、加藤にはその能力があったという。それを、人間関係のなかで号泣し、涙する加藤の姿のなかに見いだそうとしている。

アスパムのジョブカフェに行ったあと、加藤は10月末に車で東京にむかう。死のうと思いながら上野の駐車場に車を止めたまま、車で過ごす生活をしていた。半月も車はそのままだったので、不審に思った駐車場の管理人は警察官を呼ぶ。以下は中島の描いたその場面である。

 「何をしているのか」と問いかける警察官に対して、加藤は「自殺を考えている」と 打ち明けた。すると警察官は、自殺を止めるよう説得した。警察官は、加藤の車が青森ナンバーであることに反応した。この警察官は生まれが北海道で、「同じ 北国の出身だ」という話になった。...調書によると、この警察官は加藤に対して、次のようなアドバイスを送ったという。

生きていれば辛いこともあるが、楽しいことは必ずある。君はがんばりすぎだから、肩の力を抜いたほうがいい。

加藤は泣いた。駐車場の管理人は、とりあえず料金を払ってほしいと話した。駐車料金は「3万3500円」にもなっていた。彼は手元に現金がなかったため、借用書を書いた。管理人は「年末までに返してくれればいいから」と言った。(『秋葉原事件』P129)

中島は、このエピソードを人情味ある警察官と加藤との人間的ふれあいとしてとらえ、生きていれば...の警察官の言葉が「加藤の心に届いた」(P229)と考えている。そしてこのようなリアルな言葉と向き合うことが、彼にとってもっと必要だったと思っている。(同P231)

一方、加藤はこの場面を次のように描く。

気づくと、駐車場の管理人が警察官を連れてきていて、その警察官に、何をしているの かと問われました。久しぶりの人との会話に涙があふれました。...自殺しようとしていると、そのまま答えたところ、「生きていればいいことある」と言われ、 私の心は凍りつきました。それは「(俺は何もしてやれないけど)生きていればいいこともある(だろうから、ひとりで勝手に頑張れ)」ということだからで す。

絶望していると、駐車場の管理人から、とりあえず駐車場から車を出すように言われました。金が無いと、答えると、料金は年末まででいいから、とも言われました。その瞬間、私は生きなくてはいけなくなりました。...その約束がある限り、孤独になっても絶対に孤立はしません。自殺のことなど、一瞬で消えて無くりました。(『解』P41)

加藤は、このエピソードの時系列を、①警察官たちと会う⇒①´加藤が泣く→②警察官の「生きていれば」の言葉⇒②´心が凍る→③管理人の請求→③´生きなければの思いが生起した、という順番で表現する。

その一方で、「生きていれば」の言葉→生きていたいという涙、という関係を否定する。心に届いていない、というわけである。しかし、ずいぶん不自然な説明ではないか。「何している」という言葉で涙が出るわけはないし、管理人と警察官が連れ立ってきたら何を言われるかは明白だ。涙が出るような会話はあるはずがない。

役割を超えた人間的なやり取りがあったから、涙が出たはずだが、その説明はない。すべて受け身のコミュニケーションだったととらえ、「請求=金を返す約束」が生きていこうというきっかけになったとという。「涙」の根っこは消去されてしまった。中島の言う「リアルな言葉との向き合い」をしっかりと拒んでいる。

加藤の説明は再構成されている。実際は次のようなやり取りになるはずである。①半月にわたる駐車場利用⇒①´管理人と警察官が来る、②加藤の説明 ⇒②´警察官たちの反応(言葉)、③加藤の涙⇒③´警察官たちの反応(言葉)...というのが自然である。加藤が何かをしたために、外部の働きが起きるのであるが、それを、加藤は、外部からの出来事が起きたから、自分がこうしたとさかさまに再構成しているのである。

加藤は、涙で代表される人間の深い感情を殺しているのではないか、彼の本を読むと節々でそう感じる。2008年6月8日の昼過ぎ、いよいよ車で秋葉原の歩行者天国に突っ込もうとしたとき、3回躊躇した。そのときのことをこう述べている。

 「(1回目の躊躇は)頭では突っ込むつもりでいるのに、体の方が勝手にブレーキをかけ」「考えるより前の段階の自分が自分に待ったをかけたような状態でした」「(2,3回目の躊躇も)頭では考えているのに、体が考えを拒否していました」...。(『解』P100-103)

殺人を起こそうとする考えに抵抗し、拒否する「自分」を、加藤は探さねばならないだろう。その「自分」をしっかりと自分で見出し、力づけ、はっきり 表出できれば、被害者への心からの謝罪が生まれるのではないか。この謝罪こそが、事件を起こさないための「対策」であり、出発であるはずだ。それなくして、マニュアル的な対策などあるはずもない。ぼくはそう思う。

だから、加藤が言っているのは逆なのだ。人を殺してはいけないと感じている「自分」(魂)に待ったをかけ、そんな大事ことを感じないようにしているもう一つの〈自分〉がいるのだ。加藤は、「自分がない」とか、他人についてどのような関心もないと言うが、人としての魂を眠らせている〈自分〉がいるから ではないか。涙を消去したのも、その働きがあるからだろう。ぼくにはそう思える。この考えをもう少し推し進めれば、彼の中にこそ「成りすまし」がいたの だ、と言える。それはひどく残酷な想定だが...。

秋葉原事件の直接の原因は、彼が生活の支えにしていた携帯電話の掲示板上に「成りすまし」が現れ、荒らしたからという。しかし、彼自身、ネット上で「成りすまし」行為も、荒らしもした。ネットではよくある、普通のことだ。

なのに、彼にむかって彼の「成りすまし」が現れた時、その誤った行為を改めさせるため、心理的なダメージを与えねばならず、だから秋葉原事件を起こした、という。この三段論法的ギャップ、つまり、不快ではあるけど良くあるできごとが、どうしたら、「成りすまし」の某氏を改めさせるための無差別大量殺 傷事件を起こす決断につながるのか。いかなるジャンプを繰り返したら、その決断に結びつくのか。

自分自身にもともと「成りすまし」的要素があるのに、さらに「成りすまし」が現れた。それは〈自分〉の「成りすまし」性の暴露につながる、〈自分〉 の世界全体の崩壊につながりかねない。そうやって急激にスパイラル状に、事件=破局にむかった...。そんなふうにぼくは加藤の本が読めた。深読みかもしれないが...。

少なくとも、彼の二つの本は事件の「解」などではないと思う。中島の指摘は加藤の本質をえぐっていて、それに抵抗しているように思える。加藤は自分 の内側を知られまいと、一生懸命「自分」を閉ざすために本を書いたのかもしれない。死刑が確定しても、ゆっくり時間をかけて、閉ざされたこの扉を彼は開け られなければならない。扉を開けようとする「加藤」とは、もちろん、秋葉原でブレーキをかけた「自分」である。

加藤は中島らと対話をすべきだ。他者と対話をすることは、真の「自分」とも対話をすることだ。しかし、もうあまり時間は残されていない。

この場合、死刑制度の残酷さは、人を殺してはならないと必死にブレーキを踏み、他人の言葉に涙している「自分=加藤」を、殺すことになるかもしれないということだ。そして、アクセルを踏んで人ごみに向かった〈自分=成りすまし〉と、死刑制度はペアを組むかもしれないということである。ペアを組んだ二つは、いずれも真実から目をそらしているのである。

偽装とは、実に深いところでつながるものだ。加藤は二つの本を書いて、「説明責任」をはたしたと沈黙するのだろうか。もともと命のなかった「成りすまし」には良いことかもしれないが、閉ざされた扉の向こうで愛を求める「加藤=自分」がいたなら、それはあまりにも悲しすぎる(彼の「成りすまし」は、彼を虐待してきた母親のコピーとなることで、母を守ろうとしているように思えるので、「自分」が表出するのはそう簡単ではないと思う)。

こういった、いろいろなレベルでの成りすましは珍しいことではなくなった。自分で自分の本心を欺くことは、私たちの周りに「ふつう」にあふれるようになった。これは個人がかかえる精神病ではなく、私たちの社会がかかえこんでしまった社会の「病気」ではないだろうか。偽装を捨て去ろうという力を、私た ちの社会が取り戻さねばならない。昔は「メッキがはがれる」などと言って、偽りは実生活の中で点検された。いまはなかなか分かりにくい「メッキ」が増え、 実生活自身もメッキだらけになっているのが悩みの種である。

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5、肝心なところはすべて避けている

仙台時代、運送会社に勤務していた時の職場の先輩の藤川さん(仮名)。
携帯サイトの掲示板で友人になった群馬の女性。
北九州市の掲示板の管理人さん。

加藤君の著書「解+」の中では、彼個人の主体を受け入れてくれた人との接点はすべて抹消されている。

それどころか、仙台時代の警備会社の同僚であった「大友秀逸」さんについては、解+P.142で以下の様に揶揄(やゆ)している。

ところが、実際は、何度も事情聴取をされたり取材を申し込まれたりと、大変な迷惑をかけてしまいました。元職場の友人は私をダシにして小遣い稼ぎをして埋め合わせることができたようですが、昔からの友人は悩んでいるようであり、申し訳なく思います。

精神分析的視点で考察すると「抵抗」と呼ばれる行為である。本当は、それこそが無意識であり書き換えなければならないコンプレックス(複合観念体)であるのにも関わらず、敢えてクライアントが無意識を意識化する事を拒む行為・・それを「抵抗」と呼ぶ。

中島岳志さんの言葉を借用すれば、加藤智大君は彼自身の厚い心の岩盤を突き破る「言葉」・・その存在自体を抹殺しているのである。

加藤智大の友人として(大友秀逸)

フォーラム神保町「『秋葉原無差別殺傷事件』を徹底的に考える」開催日時:2010年 9月16日(木) 18:30-20:30

私は加藤智大の友人として、「秋葉原連続殺傷事件」を考え続けている。
一連のマスコミの報道により「負け組」「派遣労働者」などのワードが繰り返し伝えられた。たしかに加藤が事件を起こすひとつの要因として、事件直前の派遣労働の環境は彼の一連の行動に影響しているとは思ったが、それだけがきっかけとなったとは到底思えなかった。報道内容に違和感を感じた私は、直接マスコミに連絡をとり加藤について語るから、色々な角度から客観的に報道するように求めた上で取材協力をするも、実際には視聴率を見据えて加藤の暴力性を誇張する演出が施され映像化された。不信感を持った私はその後マスコミとの接触を避けて、独自に事件の検証をはじめた。

今回勉強会に参加して、以前中島岳志先生が「秋葉原連続殺傷事件」について語っている文章を読んだことがあった。立場こそ違うが同じ事件を追っかけている者として先生が加藤という人物をどのように見ているのか非常に興味があった。多くの学者がインターネットの情報などを元にもっともらしい事を語るのとは違い、実際に現地に出向き取材、検証しているだけに、私の知らない空白の2年間のデテールが伝わってきた。ただし私がとても大切な事案と思っている部分を先生が語られなかったり、私自身今まで気がつけなかった新たな、発見があったのも事実で、今後も事件を語り続けようと思う私にとって有意義な話であったとともに、まだまだ情報は少なくこれからも様々な検証を続けていかなければならないと強く思った。

恐らく加藤智大を理解することは一生できないと思う。何故なら加藤自身、自分で自分のことを理解しているとはとうてい思えないからである。だからこそ私は、加藤智大について一生考え続け、語り続けようと思う。理解はできなくても理解しようと考え続けることが、大切なことであると思うから。

以前、ニコニコ動画に「大友秀逸」さんが、加藤智大君と親しかった会社の同僚という立場で発言しているのを見たことがある。彼は実名公開、顔出しと言うリスクを抱えながら「元同僚の加藤智大君は暴力的なイメージをマスコミよって作られている」と主張していた。そんな大友さんに対して、加藤君は「小遣い稼ぎをして」と悪態をついている。

加藤智大君が、無意識的にスルーしている部分にこそ、彼が抱えているコンプレックス(複合観念体)が隠されているのである。

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6、アンサーブック

img02.jpg」と「解+」は中島岳志さんの「秋葉原事件 加藤智大の軌跡」(朝日新聞出版)の本に対する「抵抗」なのではないか?間違いない。獄中で「加藤智大の軌跡」を読んだ加藤智大は、秋葉原事件の時と同様に無意識・コンプレックス(複合観念体)を激しく刺激されたに違いない。「軌跡」の中島氏の語りが「精神分析」的語りであった為、加藤は「抵抗」を表象せざるを得なくなり2冊の本「解」と「解+」を書かずにおられなかったのだ。

携帯電話の掲示板の「荒らし」に警告する→殺傷事件。中島岳志氏の「軌跡」で表現された「加藤智大像」を否定する為→「解」と「解+」と言う構図である。。

二冊の本を並べて読んでみると見事に表裏一体化している。

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7、無意識か意識か?

「はじめに」で「目次をみて粘着質」と前述したが、「解+」を一読しただけで特徴的な記述がある。

P.036 3-5 思い通りにならないことへの対応①

P.037 3-6 思い通りにならないことへの対応②

P.038 3-7 思い通りにならないことへの対応③

P.039 3-8 思い通りにならないことへの対応④

P.040 3-9 事件も手段のひとつでしかない

P.041 3-10 事件の目的

P.042 3-11 具体的な、手段としての事件①

P.043 3-12 具体的な、手段としての事件②

P.044 3-13 具体的な、手段としての事件③

P.045 3-14 具体的な、手段としての事件④

以上、すべての章の中で語られているキーワードは「思い通りにならないこと」である。「よっぽど、思い通りならなかったのね」とすぐ解る。これだけ「思い通りにならないこと」を語れる(表象)できると言う事は、1から10まで思い通りにならなかったのだなと理解できる。意識的に強調する為にこれだけしつこく繰り返し「キーワード」を並べているのか?それとも無意識に並べているのか?

更に著書の後半では、

P.095 8-2 親の「不適切な養育」への不満?

P.096 8-3 学歴に対するコンプレックスの悩み?

P.097 8-4 就労状況が不安定である悩み?

P.098 8-5 容姿に対するコンプレックスの悩み?

P.099 8-6 交際相手を見つけられないことへの不満?

P.100 8-7 自分の悩みや苦しみを無視する者らへの不満?

P.101 8-8 交換可能でまともに扱われないことへの不満?

P.103 8-10 掲示板で思いやりのある返事がないことへの不満?

以上、すべての章の結びの文言は「それでは有効な事件対策ができず、今後も死ななくていい人が死んでいくのをただ見ている事を選択するということになります。」である。

結局人は自分j自身の事しか語らないと言う精神分析的視点で読み替えると・・加藤君は「今後も僕を見殺しにするのですか?」としつこく訴えているのである。

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8、結びの記述

P.183

私は、事件が防げるものだと思っています。ただし、「誰かが何とかしてくれる」ものではありません。「自分でなんとかする」ものです。この本が、考えるきっかけになってくれれば、と思います。社会に対して説明責任を果たせたなら、後は、ご遺族や被害者のことだけを考え、殺される日を待つだけです。2013年4月10日 加藤智大

おいおい、何人もの何の落ち度もない人を死傷させておいて・・・その言い方ってあり?「殺される日」って貴方は事件の被害者ではなく加害者なのだから「死刑執行の日」が適切な表現なのではないだろうか?加藤智大君の無意識は暗に「俺は被害者だ」と語っている。少なくとも、ご遺族や被害者の方は遺憾に思うに違いない。

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9、おわりに

今号の「月刊 精神分析」は、急遽、加藤智大君の「解+」を紹介する事となった。

あれだけ世間を騒がせた事件の防止策が「楽しみを予定に入れ、自分を含めた誰かのためにやるべきことも予定し、自分の日常の枠組みを整える。思い通りにならないことは考えないことで、感情をリセットする」・・・と。あまりにも頓用な策に唖然とする。

2013年09月01日現在、発刊から4か月以上経つにも関わらず、Amazonの本書のカスタマーレビューは未記入である。デビューするに値しないと言う評価なのだろうか?

人は知らず知らずのうちに自身の無意識・コンプレックス(複合観念体)に操られていると言う。

獄中から2冊の書籍を著して「加藤智大」君が訴えたい事は何だったのだろうか?

先に紹介したサンネット日記の記述の通り・・・

彼の「成りすまし」は、彼を虐待してきた母親のコピーとなることで、母を守ろうとしているように思えるので、「自分」が表出するのはそう簡単ではない

・・・と言う解釈が妥当なのだろうか?

解+P.026より引用

2-7 捜査と精神鑑定

建前上、捜査機関と独立して中立的な立場で精神鑑定を行っているとされていますが、実態は、精神科医の肩書で捜査側が創作した事件のストーリーにお墨付き与える作業が精神鑑定というものです。

ここまで、供述調書とはデタラメなものだと書いてきました。精神鑑定は、その供述調書を元にして行われます。実際、鑑定書の中身のほとんどが、私や関係者、目撃者の供述調書の丸写しです。鑑定医は、私ではなく、捜査側が創作した動機・経緯・犯人像の分析をするだけです。

確かに面接も行われはしましたが、結局は取り調べと同じことです。私が話してもないことが話したことかのように鑑定書に書かれました。「供述調書にはこう書いてある。本人も面接でこう話している。だから供述調書は信用できる」というのが鑑定書の趣旨であり、私の精神鑑定というより私の供述調書を「鑑定」しているようなもです。

加藤智大君の「解+」を読んで、あぁやっぱり人は自分のコンプレックス・無意識(複合観念体)に苛まれ続けるのだなと認識した。世に溢れる加藤智大評を否定する為に、理論的にもっともそうな理屈を並べつなげてみても、そこから導かれる事件の防止策はなんの訴求力もなく、読む者を著しく落胆させる。

秋葉原事件を構成するのもは、事件当時の経済的背景や労働環境、家族関係、人間関係、インターネットに代表されるコミュニケーション方法があげられる。

しかしながら、事件の本質は、加藤智大君自身も意識できない、彼本人の心の奥底深くに巣食う無意識・コンプレックス(複合観念体)にあると断言できる。

いずれにしても、収容されている加藤智大君は「精神鑑定」を受ける事があっても「精神分析(セラピー)を受けるチャンスは与えられないのだ。

平成25年09月02日 月刊 精神分析 編集部A

感想は lacan.fukuoka@gmail.com でお待ちしています。

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付録:解+目次(参考)

1章
事件の説明を始める前に(1)
――はじめにお断りしておきたいこと
1-1  この本の読み方
1-2 反省文を書くつもりはない
1-3 説明責任を果たすということ
1-4 「犯人探し」をするべきではない
1-5 「犯人叩き」もするべきではない
1-6 事件は見せ物ではない

2章
事件の説明を始める前に(2)
――先入観を捨てること
2-1 捜査と取調べ
2-2 捜査機関の色眼鏡
2-3 捜査と事情聴取
2-4 捜査と事情聴取
2-5 捜査と事情聴取
2-6 印象は変えられる
2-7 捜査と精神鑑定
2-8 捜査と広報
2-9 専門家の話もほとんど嘘
2-10 取材と報道

3章
事件の説明を始める前に(3)
――事件の一般論のこと
3-1 行動には目的がある
3-2 目的がなければ行動にはならない
3-3 世の中は思い通りにならないことだらけ
3-4 自分勝手、という考え方が自分勝手
3-5 思い通りにならないことへの対応
3-6 思い通りにならないことへの対応
3-7 思い通りにならないことへの対応
3-8 思い通りにならないことへの対応
3-9 事件も手段のひとつでしかない
3-10 事件の目的
3-11 具体的な、手段としての事件
3-12 具体的な、手段としての事件
3-13 具体的な、手段としての事件
3-14 具体的な、手段としての事件
3-15 経緯と背景の違い
3-16 事件との向き合い方

4章
事件の説明を始める前に(4)
――「やる」と「やらない」の境界のこと
4-1 迷うこと
4-2 損得の計算
4-3 「普通は事件は起こさない」のではない
4-4 本人の損得だけで計算しなくてはいけない
4-5 「自暴自棄」は周囲からの評価でしかない
4-6 例えば、お金の使い方
4-7 「やる」に傾いていくこと

5章
事件の説明を始める前に(5)
――手段が事件に決まること
5-1 まず現実を見ること
5-2 事件も普通のことな人
5-3 感情的になる人
5-4 追いつめられた人
5-5 追いつめられた人
5-6 「もうそれしかない」のは本人だけ

6章
事件の説明を始める前に(6)
――私のものの考え方のこと
6-1 自分が死ぬことについて
6-2 他者が死ぬことについて
6-3 人の評価だけが私の存在
6-4 他人のことを考えられない
6-5 他人のことを考えられない
6-6 他の人のことは意外と考えている
6-7 昔は味方の迷惑すら考えていなかった
6-8 記憶の残り方
6-9 すぐ結論が出る
6-10 タテマエを使う
6-11 私の攻略法?

7章
事件の説明を始める前に(7)
――掲示板のこと
7-1 掲示板のしくみ
7-2 掲示板はバーチャルではない
7-3 掲示板は出会い系サイトではない
7-4 掲示板の雰囲気
7-5 掲示板への書込み
7-6 掲示板のメリット
7-7 掲示板のデメリット

8章
事件の説明を始める前に(8)
――動機を盛らないこと
8-1 私の事件に盛られた動機
8-2 親の「不適切な養育」への不満?
8-3 学歴に対するコンプレックスの悩み?
8-4 就労状況が不安定である悩み?
8-5 容姿に対するコンプレックスの悩み?
8-6 交際相手を見つけられないことへの不満?
8-7 自分の悩みや苦しみを無視する者らへの不満?
8-8 交換可能でまともに扱われないことへの不満?
8-9 職場の工場で作業着を隠されたことへの怒り?
8-10 掲示板で思いやりのある返事がないことへの不満?
8-11 成りすましや荒らしへの怒り?
8-12 何故動機を盛るのか

9章
事件の説明を始める前に(9)
――事件の背景で起きていたこと
9-1 掲示板で成りすましをされた
9-2 成りすましを私と勘違いされて荒らされた
9-3 成りすましを正当化された
9-4 「指導」の手段について
9-5 「指導」の手段について
9-6 「指導」の手段について
9-7 事件は一旦は思いとどまった
9-8 警告を始めた
9-9 生活が安定した
9-10 作業着がなくなった
9-11 やることがなくなった
9-12 やることを探した
9-13 「誰か」を求めた
9-14 事件の直前のこと
9-15 事件は思いとどまった

10章
私が起こした事件について
10-1 問題を抱えた
10-2 問題をどうにかすることを考えた
10-3 事件の目的
10-4 事件の形を明らかにする
10-5 事件の経緯とその背景を明らかにする
10-6 話が変わった?
10-7 正しい理解と正しい疑問

11章
事件が起こらなかった可能性を考える
11-1 「たられば」を語ること
11-2 死刑がなければ
11-3 「このままだと懲役」ではないことを知っていれば
11-4 余計なことを知らなければ
11-5 自分の状況が違っていれば
11-6 迷惑をかけるとわかっていれば
11-7 迷惑はかからないとわかっていれば
11-8 事件を起こさないことを望まれていれば
11-9 普通に育てられていれば
11-10 作業着がなくならなければ
11-11 作業着がなくなったことにキレなければ
11-12 作業着を見つけていれば
11-13 成りすましらが私を無視しなければ
11-14 成りすましをされなければ
11-15 掲示板をやっていなければ
11-16 対策をしていれば

12章
事件を未然に防ぐには
12-1 この本の意味
12-2 問題を抱えた人の思考と行動
12-3 問題を抱えた人の思考と行動
12-4 問題を抱えないようにする
12-5 こころを殺す
12-6 「どうにか」の方向を変える
12-7 考えないようにする
12-8 事件以外の選択肢を用意する
12-9 事件以外の選択肢を用意する
12-10 「やらない理由」を確保する
12-11 確認しておきたいこと
12-12 考え方を変えるべき
12-13 「やらない理由」があるなら
12-14 「やらない理由」があるなら
12-15 「やらない理由」になりそうなもの
12-16 「やらない理由」になりそうなもの
12-17 「誰か」の見つけ方
12-18 「誰か」の見つけ方
12-19 「誰か」の見つけ方
12-20 事件を未然に防ぐには

(周りからは自暴自棄に見られる私の過去)
(人の痛みがわからない?)
(「読める」のは私だけではなかった)
(「いい子」を使って嫌われる)
(掲示板にも色々ある)
(ハケン切りとサボリ)
(むしゃくしゃしていた → 誰でもよかった?)
(手段が殺傷系の事件でなければ?) 
(普通に育てられていれば?)
(安定した仕事に就いていれば?)
(私がやった成りすまし)
(対策とは言い訳のことではない)
(「お菓子を食べる」は失敗した)
(話を聞く、ということ)
(ゲーム好きが事件を起こす?)

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付録:<秋葉原事件5年>交差点に花と祈り

毎日新聞 2013年6月8日(土)11時39分配信

東京・秋葉原の歩行者天国で7人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件は8日で発生から丸5年を迎えた。この事件では元派遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(30)が殺人などの罪で起訴され、1、2審とも死刑判決(上告中)を受けている。事件現場になった交差点の一角には、早朝から花束などが供えられ、手を合わせる人もいた。

千葉県市川市の会社員の女性(43)は職場が近く、頻繁に秋葉原を訪れる。5年前の事件当日も訪れる予定だったため、事件を人ごとと思えないという。「5年がたち、自分も思い出すことが減ってしまったが、事件を風化させてはいけない」と話した。

また、世田谷区のアルバイトの男性(38)は「絶対に事件を再発させてはいけないとの思いを込めて祈った」と話した。【山崎征克】

最終更新:6月8日(土)12時38分

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現場に献花、人影まばら 秋葉原無差別殺傷事件から5年

2013.6.8 12:49

東京・秋葉原で平成20年に7人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件は8日で発生から5年を迎えた。現場となった交差点の一角には、花束や千羽鶴が供えられた。しかし足を止める人は少なく、通り向かいのアイドルグループAKB48のイベント会場が大行列だったのとは対照的だった。

刺されて一時意識不明に陥ったタクシー運転手、湯浅洋さん(59)は午前7時20分ごろ、献花に訪れ、じっと長く手を合わせた。脇腹付近にしびれが残り、いまも痛み止めの薬が欠かせない。

湯浅さんはイベントの人波に一瞬苦笑したが「でも楽しそう。自分たちの楽しい場所を、自分たちで守る気持ちになってくれれば事件は起きないと思う」とほほ笑み、「風化は仕方ないが、私にできるのは語り続けることです」と語った。

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付録:「事件風化させたくない」現場で献花、冥福祈る 秋葉原無差別殺傷から4年

2012.6.8 10:47

2008年に7人が死亡、10人が重軽傷を負った東京・秋葉原の無差別殺傷事件から8日で丸4年を迎えた。現場となった交差点には花束や千羽鶴が供えられ、手を合わせる人もいた。

岡山県から昨夜、夜行バスで上京した契約社員の男性(28)は「事件を風化させたくないという思いで、毎年この日に来ている」。献花に訪れた埼玉県川口市の男性会社員(43)も足を止め「事件前のような秋葉原に戻ってほしい」と硬い表情で話した。

事件は08年6月8日の昼に発生。殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大被告(29)は昨年3月、1審で死刑判決を受け控訴。今月4日に東京高裁で控訴審が始まった。事件で中止されていた歩行者天国は、11年1月に再開されている。

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付録:<秋葉原殺傷事件>発生から3年 現場には花束や折り鶴

毎日新聞 2011年6月8日(水)11時10分配信

東京・秋葉原の歩行者天国で17人が無差別に殺傷された事件は、8日で丸3年を迎えた。事件現場となった千代田区外神田の交差点には、花束や折り鶴、ペットボトルの飲み物などが供えられ、早朝から手を合わせる人の姿も見られた。

通勤途中に現場を訪れた葛飾区のアルバイト従業員、浅岡めぐ美さん(24)は、持参したペットボトルのお茶やゼリーなどを供え、立ったまま手を合わせた。3年前のこの日も秋葉原で仕事をしており、事件発生日は毎年欠かさず、交差点に立ち寄っているという。
浅岡さんは「大好きな秋葉原の街は、事件前の日常を取り戻しつつあるが、あれだけの事件が起きたことを忘れないようにしたい」と語った。

千代田区の石川雅己区長と小林泰夫・区議会議長も喪服姿で訪問。石川区長は花束を手向けた後、約10秒間黙とうし「地域の人たちと協力し、今後も街の安全安心の実現に向けた取り組みを進めたい」と決意を述べた。

事件発生以降、中止されていた歩行者天国は今年1月、2年7カ月ぶりに再開された。事件を起こして殺人罪などに問われた元派遣社員の加藤智大被告(28)については東京地裁が3月に死刑判決を言い渡したが、弁護側が控訴している。【和田浩幸】

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付録:秋葉原事件から1年 加藤被告 記憶つづる日々

2009年6月8日7時58分配信 産経新聞

17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件は8日、1年を迎えた。殺人罪などで起訴された元派遣社員、加藤智大被告(26)は弁護人以外の面会を拒んでいるが、弁護人によると、拘置所内では幼少時の人間関係や事件当日の行動などをつづっている。被害者や遺族は悲しみや後遺症に今も苦しんでおり、重傷を負って休職を余儀なくされたタクシー運転手の男性も「彼の口から動機を聞きたい」と願う。今月22日には、第1回公判前整理手続きが行われる。

加藤被告が勾留(こうりゅう)されている東京・小菅の東京拘置所。事件の動機や今の心境を直接聞こうと数回面会を申し込んだが、加藤被告は受付を通じて「お断りします」と拒み続けている。加藤被告の弁護人によると、複数の報道機関から申し込みがあるが、弁護人以外の面会には応じていないという。

弁護人によると、加藤被告は今年に入り、裁判に向けて事件に関する記録を書き始めた。小さいころの友人関係、不満のはけ口とされる携帯電話サイトの掲示板への書き込み内容、事件を起こそうと思ったきっかけ、当日にトラックに乗り込んだときのこと...。思いつくままに書き、弁護人に郵送している。

友人や面識のない人から寄せられた手紙には、「つらかったんだね」といった同情的な内容も。報道機関からの手紙には、目を通していないという。

「食事はちゃんと食べているんじゃないかな。顔色は良さそうなときもあるし、悪いときもある」と弁護人。茨城県土浦市の連続殺傷事件で殺人罪などに問われた金川真大被告(25)が面会や手紙で取材に応じているのとは対照的に、加藤被告は静かに裁判を待っているようだ。

捜査段階で明らかになった動機は、人生に生きがいを見いだせずに孤立感を深め、携帯サイトへの書き込みを無視されたことで不満を爆発させたとされる。弁護人は「(動機は)いずれ法廷で明らかにしていくつもりだ」と話すにとどめている。(伊藤美希)
                
□被害のタクシー運転手・湯浅さん

■「彼の口から動機聞きたい」

加藤智大被告のトラックにはねられた人を救助している最中、背後から背中を刺されたタクシー運転手、湯浅洋さん(55)。傷は肝臓まで達し、約1カ月半の入院生活を送った。昨年10月にタクシー会社に復職したが、11月下旬、異変が起きた。

「痛え」。午前2時ごろ左の脇腹に激痛が走った。我慢して走り続けると、今度は頭痛がひどくなり、右手がしびれ始めた。日を追うごとにひどくなる症状。少し運転しては休憩という生活が続き、翌12月は手取りは半減。後遺症の可能性との診断を受け、今年2月から休職している。

「後ろから刺され、加藤被告の顔すら見ていない。彼に恨みや怒りはわいてこない」。しかし、1年が過ぎようとする今も、気持ちを整理できずにいる。「挫折」が見え隠れする加藤被告の人生。仕事、友人のいない孤独...。「本当にそんな動機なのか」

湯浅さん自身、失敗を積み重ねた人生は、加藤被告に近いかもしれない。親への反発で、高校時代は友達の家に転がり込んで自宅に帰らなかった。大学に合格するも入学せずに上京。有名ホテルの厨房(ちゅうぼう)に入り、フランス料理を学んだ。28歳で開業した飲食店は1年でつぶれた。手元に残ったのは800万円の借金。食べるために運送会社やタクシー会社などを渡り歩いた。

「挫折とは一度も思わなかった。結果は他人や環境のせいじゃない。店をつぶしたのだって自分の先見性のなさと技術不足」と湯浅さん。「いくらきつくても、自分を信じてやり直せばいいだけ。なぜ加藤被告にはそれができなかったのか。なぜ無関係な人を傷つけたのか。どうしても彼の口から理由が聞きたい」

裁判はすべて傍聴するつもりだ。(国府田英之)

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Webマガジン月刊精神分析&分析家ネットワーク



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 精神分析(セラピー)を受け、インテグレーター(精神分析家)を目指し理論を学んだ人たちが、東北・関東・関西を中心に実際にインテグレーターとして活動しています。  夏には、那須で恒例の「分析サミット」が開かれ、症例報告・研究などの研修会も行っています。  私たちインテグレーターを紹介します。(敬称略)  メールに関して、☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)

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