炭水化物ダイエット タイトル画像

1、はじめに

月刊 精神分析では、私自身が興味をもった対象を精神分析的的視点から考察し、サイト上で論旨を展開し、より深く「精神分析的視点」を世の中に啓蒙していく事を趣旨としています。

まぁ、過去扱ってきたテーマは世の中に衝撃を与えた事件や事故、映画作品(サブカルチャー)、芸能人言動などがあげられます。

更に、昨今は、精神分析はもちろん心(こころ)の問題を取り扱うのですが、心と体は無関係ではなく、むしろ密接な関わりあいをもつものとして、過去、「胃がん検診」や「ダイエット」も取り上げてきました。

そんな流れのなかで、今月は「炭水化物ダイエット」「糖質制限」なるトピックスから精神分析・セラピーを考察してみたいと思います。

参考にした本は 炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書) [新書]
夏井 睦 (著)
です。2013年12月31日現在カスタマーレビューは39件登録されています。

2013年 平成25年12月31日 月刊 精神分析 編集部A

感想のメールは lacan.fukuoka@gmail.com までお願いします

なお本サイトは、

ラカン精神科学研究所、およびシニフィアン研究所に監修して頂いています。

月刊精神分析の健康をテーマにした既号

2010年冬:47歳 2010年12月号 皮膚と自我
2012年春:49歳 2012年05月号 ガンと胃カメラ 体は心のモニター
2013年春:50歳 2013年03月号 宮迫博之 ガンと胃カメラ 体は心のモニター2
2013年冬:50歳 2013年12月号 炭水加物ダイエット糖質制限 夏井睦 飯野賢治
2014年春:51歳 2014年03月号 体は心のモニター3

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2、きっかけ 春の健康検診

今回は「炭水化物ダイエット 糖質制限」と言う切り口から精神分析(精神発達論)を語ってみたい。いささか強引なリンク付けかもしれないが、夏井睦さんの著書は、そもそも生命体が栄養を摂取し活動する事はどういうことか?という起源にまで遡って「炭水化物摂取 糖質制限」を考察している。それには、天動説から地動説へ。まさしく思考や常識のコペルニクス的転回・パラダイムシフトまで視野に入れているのだ。

まず今回のキーワード「炭水化物ダイエット」について。私自身はなんとなく、そこはかとなく、そう言うダイエット方法があるのは知ってはいた。米飯やパンや麺類・・つまり炭水化物の摂取を控える事で体重を減らす手段として・・・。

今年(2013年)の春、社内で春の健康検診があった時に、体重が68.4kg(3月29日)になっていると言う客観的事実を突き付けられ・・・これではほぼ69kgほぼほぼ70kgと言っていい数字だと理解した。自分の頭の中のイメージだと62、63kgという勝手な想像値を持って生活できているのだが、現実のズボンのベルト穴は四つあるうちのマックス位置を使用しているし、他人(会社の先輩)からは「腹が出て来た」と揶揄され、現実を再認識する事となった。

肥満の怖いところは、毎日毎日少しづつの体重増加を本人は意識せず、無意識に習慣化している生活習慣(もちろん食生活を含む)を続けていると、それこそ無制限に人の体はエネルギーに変換できる脂肪を体内に蓄積してしまうことだ(体内脂肪・皮下脂肪)。

食物を保管貯蔵できなかった時代なら飢餓状態を回避する大変重要で不可欠な生命維持の仕組みなのだが、「飽食の時代」といわれる現代においては、日々の食生活や生活習慣を自ら管理しなければならない。それは意識で無意識に対抗する様な行為で、日々自分との戦いを強いられているような気さえする。

10代や20代の頃ならまだしも、50代に突入し、DNAを次世代に伝える使命を終了し、生き物としての「種の保存」と言う本能的作業を終了した私たちは、その余生をどう生きるか?が大きな命題としてのしかかってくる(健康管理、ひょっとしたら寿命管理?を含む)。

数字の真偽は定かではないが、厚労省のサイトには以下の文言が並んでいる。

平成19年の国民健康・栄養調査によると、「糖尿病が強く疑われる人」の890万人と「糖尿病の可能性を否定できない人」の1,320万人を合わせると、全国に2,210万人いると推定されているんだ。しかも、糖尿病が疑われる人の約4割はほとんど治療を受けたことがない人なんだ。

2,210万人と言えば、福岡市の人口150万人の15倍。日本の総人口(1億2500万人)の約18%概ね2割と言う事で、飽食国家日本・・日本人の5人に1人は既に糖尿病にかかっている計算になる。まぁそれだけ食に関しては豊かになったと言えるのだろうが、その豊かさは私たちに大いなる不健康をもたらしているのである。

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3、きっかけ 飯野賢治さんの事

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話を自分の事に戻そう。春の健康検診の結果に愕然としている時、ネットサーフィンをしていたら飯野賢治という人の訃報(亡くなったのは2月20日)を思い出した。

私は飯野賢治さんと言う方の存在はまったく知らなかったのだが、ゲーム愛好家には『Dの食卓』(1995年:3DO版)の監督・脚本家として有名な方らしい。

Dの食卓

概要:Dの食卓(でぃーのしょくたく、略称:D食)とは1995年4月に発売された3DO専用ゲームソフトである。マルチメディアグランプリ'95通商産業大臣賞受賞。全世界で100万本を販売したとされる。ストーリー:1997年、ダウンタウンの病院で院長を務める「リクター・ハリス」が突然凶変し、患者や医療スタッフなどを次々と射殺して立てこもるという事件が発生する。 プレイヤーは「ローラ・ハリス」となり、凶変した父親を説得するため単身病院に乗り込むのだが、そこで突然、異次元空間のような物に引きずり込まれ、謎の古城に迷い込んでしまう。

飯野賢治

肥満であった飯野は「炭水化物抜きダイエット」を実践し減量に成功し、高血圧の大きな原因である肥満は解消傾向にあったものの、2013年2月20日午後9時42分、高血圧性心不全のため東京都内の自宅で死去。亡くなる3日前の2月17日までアメリカマサチューセッツ州ボストンに滞在し、twitterを更新していたが、帰国後の20日夕方に持病のぜんそくの発作が起き、亡くなった。42歳没。

私はこの人の写真をみて驚いた。肥満時の飯野さんはまるで巨漢(大食漢であろう)のプロレスラーの様にみえるのだが、肥満解消時の飯野さんは福山雅弘の様な俳優顔なのである。まるで、ダイエットビフォーアフターの様。やっぱり肥満は人をカッコ悪くみせるし、老化を加速する。・・ならば、やはり「解消しないとダメだな」という印象と共に「炭水化物ダイエット」という言葉を私の脳に刻んだ。私と「炭水化物ダイエット」をリンクさせたのは「飯野賢治さんの訃報」なのだ。

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4、母親がいなかった飯野賢治さん(心的欠損、母不在)

このテキストを書いていて、もう少し飯野賢治さんに興味がわいてネット検索してみた。ヒットしたのは「情熱大陸」で飯野賢治さんを取り上げた動画。視聴して驚いた。なんと飯野さんは幼少期に実母と生き分かれており、母の記憶が殆どないという。そんな飯野さんはが心不全で42歳で亡くなっている。

精神分析の世界で精神発達論を説くと、しつこいくらい「母」の存在を強調される。父は子どもに社会性を教えるのが役目で、新生児から幼児、児童に至る「人が人として生まれ育つ過程」において「母」は絶対的な存在だと説く。

もし、母が適切に子どもの世話ができないと、子どもは心に大きな欠損をかかえ、その寿命は概ね45歳までになると言われる(精神分析における欠損保持者の生存寿命45歳説)。

著名なタレントや芸術家が早死したとする・・マスコミは決まって本人不在になった途端に、生存時には大きく触れなかった幼少時の生活環境や家庭環境を記事にする。すると決まって、・・実は、○○さんは母子関係がうまくいっていなかったという話がでてくる。
もし、飯野さんが肥満状態の時に精神分析家にセラピーを受けたら必ずこう言われた筈だ「貴方は過食症です。あなたは幼少時に母から与えられる筈の愛情を与えられなかったのです。それは貴方のコンプレックス(複合観念体)に大きな欠損を生じさせています。貴方は無意識にその欠損によって満たされないものを食によって埋めようとしているのではないですか?」と。

飯野さんの場合は、肥満状態であった時に、高インスリン血症が起こり、中性脂肪がたまって脂肪細胞が大きくなり、血液量が増え、心臓に負担がかかった事(心不全)が直接の死因なのだが、元をたどれば肥満、過食症、心的欠損、母不在が彼の不幸の遠因と言えるのである。

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5、登場人物

夏井睦

夏井睦(なついまこと)

1957秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。練馬が丘病院「傷の治療センター」長。2001年、消毒とガーゼによる治療撲滅をかかげて、インターネットサイト「新しい創傷治療」(http://www.wound-treatment.jp/)を開設「。湿潤療法の創始者として傷治療の現場を変えるべく、発信を続けている。趣味はピアノ演奏。著書に「傷はぜったい消毒するな」(光文社新書) 「キズ・ヤケドは消毒してはいけない」(主婦の友社)「さらば消毒とガーゼ 「うるおい治療」が傷を治す」(春秋社)「これからの創傷治療 」(医学書院)「創傷治療の常識非常識」「ドクター夏井の熱傷治療裏マニュアル」(共に三輪書店)共著に「医療の巨大転換(パラダイム・シフト)を加速する」(東洋経済新報社)などがある。

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惟能創理(いのうそうり)
日本初のインテグレーター(精神分析家)
編集部Aのスーパーバイザー 。

1951(S.26)年 埼玉県熊谷市に生まれる
1992(H.04)年 大沢精神科学研究所設立
1992(H.04)年 道越羅漢(みちおらかん)となのる
2008(H.20)年 LAKAN精神科学研究所に名称を改める
2008(H.20)年 惟能創理(いのうそうり)に改名する
著書紹介:
月刊精神分析 2009年01月号 運命は名前で決まる
月刊精神分析 2010年01月号 心的遺伝子論 産み分け法

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迎意愛近影

迎意愛(むかいあい)
精神分析家。シニフィアン研究所(埼玉県上尾市)主宰。1954年和歌山県生まれ
2011年10月より埼玉県在住。二女の母。
奈良教育大学卒業するも、教師にならず、営業職に就く。結婚、義母の介護。
物心ついた時から生きる意味を問いかけ、38歳の時、精神分析に出会う。
精神分析により、自己を知ることで、生きる意味を見出せると確信し、惟能創理氏に師事する。
女であることの素晴らしさと重要性を痛感し、自らも精神分析家(インテグレーター)となる。
自らの体験と「オールOK子育て法」を引っさげ、女たちよ賢明であれと全国を行脚するべく奮闘中。
連絡先:signifiant1@gmail.com

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安情共恵近影

安朋一実(やすともかずみ)
精神分析家。ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市)主宰。1958(S.33)年4月22日生まれ。
出身:滋賀県大津市。二女の母。
神戸親和女子大学児童教育学科(兵庫県神戸市)卒業。
会社勤務の後、結婚し専業主婦になる。
二女の子育てに悩み惟能創理先生の精神分析治療を受ける。
インテグレーター(精神分析家)養成講座を受講の後、独立開業。
現在、新進気鋭の分析家として、引きこもり不登校の子供を持つ母親を全力で支援している。
同研究所は「京都府ひきこもり支援情報ポータルサイト」の支援団体として登録。
メルマガ発行:子育てメールマガジン 育児法 引きこもり 家庭内暴力 非行 不登校
連絡先:lacan.msl@gmail.com
QR-CD






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編集部A(へんしゅうぶえー)
月刊精神分析(げっかんせいしんぶんせき)編集部員。
ラカン精神科学研究所福岡支所
1963(S.38)年3月12日生まれ
出身:福岡県福岡市。
コンピューター会社のシステムエンジニア。食品工場の生産管理業務に従事。
飲食店の経営、飲食店の営業職、旅客運送乗務員を経た後、月刊精神分析編集部。

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6、炭水化物ダイエット(面白いように痩せる)

自分の中では62Kg位だと思っていたのだが、実際にはいつの間にか70Kg近くに増えていた。なぜ太ったのか?ちょっと考えたらすぐわかった。当時の私は毎日カレーばかり食べていた。カレーは健康食と言う頭(先入観:思い込み)があって、スーパーでもコンビニエンスストアでもすぐ入手できるレトルトカレーは忙しい一人暮らしの私にとって超手軽で、米飯さえ炊飯器で炊けば至極のご馳走になる。カレーとの相性もばっちり。ただ、量が問題だった。炊飯器の最下位のメモリは1合。約150gを毎日炊飯してカレーと一緒に食べていた。ご飯1合(炊飯330g) = 534kcalだそうだ。それに当然牛脂がたっぷり入ったカレーも加わるので、結構なkcalになっていた筈だ。

本稿の趣旨では、kcal制限より、炭水化物を摂取する事によって体内に取り入れる「糖質」を問題としているのだが、ただ単に炭水化物ダイエットを始めた時の私はそんな知識もなく、米飯、パン、麺類を食べるのをなるべく回避しただけだったのだが、結果オーライでダイエットには成功した。

では、実際に私が何を食していたかと言うと「もやし」「こんにゃく」「シメジ」などの低カロリーな食材と胃に優しい「キャベツ」を主食にしていた。それでも、深夜の営業中には頭が要求するので板チョコをバリバリ食べたり、眠気防止に飴を食べたりして糖質をとっていたのだが、毎日食べていた炊飯1合をやめると現実に体重は減り続けたのであった。img03.jpg2013年03月29日の体重が68.4Kg
それから170日(約半年)後の
2013年09月15日の体重が59.8Kg(8.6Kg減:12.6%減)となった。

ちなみにそれ以降はリバウンドもせず概ね61.5Kgで推移している。
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7、食生活のパラドックス(誰も疑わない常識)

私は一人暮しをしているので、自分自身の食生活をどう変えようが自分の裁量でどうにでもなる。これがパートナーと一緒とか食生活が子ども中心になっている人は、食事を急に炭水化物抜きにする事は難しいかもしれない。

私自身も感じるのだが、日本の現状をみる限り、日本の食事とは「主食:炭水化物(米飯、パン、麺類)+おかず(副菜:味のするもの)」であり、特に日本の場合、食文化の根底に白いお米が常識を超えて宗教のように存在する。農産物の中でも「米」だけは別格で国内食料自給率100%である。

米・パン・麺類

品目 国内自給率

米は全て日本で生産されている、代表的作物です 100%
食パン
原料の小麦がほぼ海外からの輸入の為、自給率は1% 1%
中華めん
原料の小麦がほぼ海外からの輸入 3%
スパゲティー 3%
うどん 62%
そば 21%

一般常識で考えれば「米」だけ食べていれば健康が維持増進できるかと言うとそんなとはない。米=炭水化物を摂取する事は体内からみれば「糖質」と「食物繊維」をとる事と同意で、生命活動を維持する上で必須栄養素の「タンパク質」と「脂肪」を摂る事はできない。にもかかわらず「米」だけ国内自給率100%!。なんか変だし、私の場合は米食を食べるのをやめて肥満を解消する事となった。何か私たちが無意識に絶対に正しいと信じている(もはや宗教化)食生活は根底から間違っているのではないか?

そういう事が書いてある本が、前述した炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書) [新書] 夏井 睦 (著) である。

それは、大いなるパラドックスへの疑問の投げかけである。

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8、炭水化物ダイエットの意味

日本には、炭水化物(白米や麺類、パン)を食べなくても食欲を満たす食べ物は沢山ある。飲料についても無糖や糖質0。ZEROカロリーをうたったものが増えている。世の人々が「甘いもは健康に良くない」と気付き始めたせいだろう。

この食物や食品には何が入っているのだろう?と食品表示をチェックしてみる。

原材料名

食品添加物以外の原材料と食品添加物の区分ごとに、重量の多いものから順に記す。食品添加物は、食品衛生法施行規則に沿って表示する。蓋が透明な容器に入った弁当では、外部からその原材料が明らかなおかずについては簡素化した表示が認められる。

スーパーで板チョコを手にして、ひょいっと裏側の表示に目をやる。「原材料名:砂糖、カカオマス、全粉乳・・」一番先に表示してあるのは「砂糖」である。つまり、世に出回っている多くのチョコレートはカカオで味付けした砂糖を食べているのである。だって、カカオより砂糖が多く含まれているのだもの。まぁその方が食べやすいせいもあるのかもしれないが・・・一部、カカオの含有量が多い商品もある、明治「チョコレート効果」ロッテ「カカオの恵み」と言うマイナーな商品群。

戦中戦後、日本の食糧事情が逼迫(ひっぱく)した時代があって、焼け野原の日本が経済復興する際に国民的共通の思いは「三度三度白いご飯をたべたい」「甘いお菓子を食べて幸福感を味わいたい」という共通の欲求を満たすために頑張ってきた。そう、1945年から2015年・・・約70年の長きにわたって日本人が社会的課題、米だけは食料自給率100%という政治課題として、なんの疑いもなく追い求めて来た「炭水化物と糖質の摂取」が招いたのが、「生活習慣病社会」であって日本人の5人に1人は既に「糖尿病」であるという目を背けたくなる現実なのである。

そもそも、炭水化物や糖質を食べる事が前提の日本の食生活自体がおかしいのではないか?夏井 睦氏はそう問いかける。

現実に私は、ここ半年以上、毎日食べていた米飯を殆ど食べていないが、すこぶる健康だし、炭水化物を食べない事が体にとって負担にもなっていない。「ボクサーの減量」のように苦痛に近い飢餓状態に陥った事はないし、普通に毎日通勤し働き睡眠をとって生活している。

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9、起源は農耕文化

日本に農耕社会が成立したのは弥生時代である。それ以前は、縄文時代。・・というのは日本の歴史で最初に習う事柄である。

縄文時代

縄文時代(じょうもんじだい)は、年代でいうと今から約1万6,500年前(紀元前145世紀)から約3,000年前(紀元前10世紀)、地質年代では更新世末期から完新世にかけて日本列島で発展した時代であり、世界史では中石器時代ないし新石器時代に相当する時代である。旧石器時代と縄文時代の違いは、土器の出現や竪穴住居の普及、貝塚の形式などがあげられる。


弥生時代

弥生時代(やよいじだい)は、北海道・沖縄を除く日本列島における時代区分の一つであり、縄文時代に続き、古墳時代に先行する。およそ紀元前3世紀中頃(この年代には異論もある)から、紀元後3世紀中頃までにあたる時代の名称である。弥生時代は、水稲耕作による稲作の技術をもつ集団が列島外から北部九州に移住することによって始まったとされる

つまり、人々がコメを食べ、定住して生活し、社会を構成するようになったのが紀元前3世紀頃だと言う。だとしたら原人、旧人類、新人類、石器時代に至る「人類」・・・180万年前から約3,000年前までの「人」は何を食べて生命を綴ってきたのか?と言う疑問にぶちあたる。

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書) [新書] 夏井 睦 (著) から引用しよう。

P.84 3 炭水化物は必須栄養素なのか

人間の生存に欠くことができない必須脂肪酸と必須アミノ酸に関しては、食事で外部から取り入れるしか方法がないが、炭水化物に関しては、アミノ酸を材料にブドウ糖を合成する「糖新生」というシステムが人間には備わっていて、タンパク質さえあれば自分で作り出せるからだ。

ダイエットという行為からみると、上記のシステムは前段に筋肉を溶かして、その結果得られるアミノ酸を分解してブドウ糖を合成する仕組みであるので、ブドウ糖を補うのにダイエット上必要な脂肪を燃焼させる筋肉を減らすのは得策か?という意見もネット上に散見している。

だが、夏井氏がここで言いたいのは、体の仕組み上からみた、炭水化物(米)を必須脂肪酸と必須アミノ酸以上に主食化している日本の食文化への大いなる疑問なのである。

私が行った炭水化物ダイエットは日常の食事から、米、パン、麺類は控えたものの、月に一度の出張の際には、吉野家の牛丼も食べたし、王将の餃子も食べたし、笑笑のチャーハンも食べた。体重グラフが一時的な体重の増加を表しているのがその時の体重増の様子である。

更に、自家製の野菜ジュースを毎日飲んでいるが、その材料の一つの人参には結構な量の炭水化物が入っている。

いわば私が行ったのは「ライト炭水化物ダイエット」。それでも、日常の食生活から米、パン、麺類を控えれば確実に体重は減っていったのであった。

私自身の体の変化から導き出される事は、炭水化物を主食にしなくても、人は健康で生きていけるし、むしろ、炭水化物主食の食生活は運動不足と共に生活習慣病の原因なのではないだろうか?

夏井氏は著書の中で以下のような趣旨の文章を書いている。人類は遠い昔、自然の恵みを狩猟し採取するライフスタイルから、麦が育つ場所に定住し、安定した作物食料を受給する事を選んだ。

その結果、人々の人口は作物の栽培量に比例して伸び続けた(人口増加:人口の爆発)が、多数の人々が穀物栽培地域周辺の定住するようになって、狩猟採取生活では問題にならなかった問題を抱える様になった。

例えば、穀物の出来高は社会を構成する人々の生活に直接影響を及ぼす事になり、豊作を祈る(原始宗教)が芽生えた。ある一定の限られた場所(地域)に人々が生活するようになって、お互いが生活(生存)権を主張するような揉め事や争いが発生しルールという概念発生した筈だ(政治の芽生え)。さらに手間のかかる穀物を栽培し食料化する為に(労働)の概念が誕生した。

人口爆発、宗教、政治、労働・・・現代でも、多くの人々が関心をよせるテーマが弥生時代に芽吹いたのである。

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10、腸内細菌(バクテリアの不思議)

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書) [新書] 夏井 睦 (著) の中で説いてある食について面白いテーマがある。

なぜパンダは竹や笹だけを食べて生きていけるのか?
なぜコアラはユーカリの葉だけを食べて生きていけるのか?
なぜ、鍼灸師の森美智代さんは一日一杯の青汁(60キロカロリー)で13年間も生きていけるのか?

と言う大きな疑問である。我々は「偏食はいけない、なんでもバランスよく食べましょう」と教わってきた。ところがである、パンダやコアラや森美智代さんは超偏食家ではないか?一般の人は、食物の種類、カロリーやコレステロールを気にしながら、食べる時間や調理法まで考えているのに超偏食家達は「超シンプルな食生活」である。

一人暮しの私からみれば、例えば「ミラクルな健康維持サプリがあって、それを一回三錠、一日三回飲んでください。そうすれば、あなたはずっと健康で天寿が全うできます」という生活を送っているに等しく感じてしまう。

どうやらその秘密は腸内細菌にあるらしい。

腸内細菌

腸内細菌は多数の雑多な菌種によって構成され、一人のヒトの腸内には100種以上(一説には500種類とも言う)100兆個の腸内細菌が存在していると言われる。一般にヒトの細胞数は60-70兆個程度と言われており、細胞の数ではそれに匹敵するだけの腸内細菌が存在することになる。ただし細菌の細胞は、ヒトの細胞に比べてはるかに小さいため、個体全体に占める重量比が宿主を上回ることはない。しかし、それでも成人一人に存在する腸内細菌の重量は約1.5 kgにのぼるとされる。腸管内容物を見ると、内容物1gに100億個から1,000億個(1010-1011個)の腸内細菌が存在しており、糞便の約半分は腸内細菌か、またはその死骸によって構成されている。

炭水化物や脂質、タンパク質をパランスよく摂取するのは大事な事だが、体の中の仕組みはまだまだミステリーに覆われている。人の体の腸内には多数の雑多な菌種が存在しており、かつ、宿主である「人」と共存関係を保っているのである。

なぜ、パンダやコアラや森美智代は超偏食な食生活なのに生命を維持できるのか?そのカギは腸内細菌が握っているようである。

各々の腸の中にどのような細菌がいて、どのような働きをしているのか?食べても食べても太らない人は、そういう仕様の腸内細菌が多く存在しているのかもしれないし、超偏食で超小食の人は、そういう省エネ仕様の腸内細菌を多く有しているのかもしれない。まだまだ人体の多くの不思議は解き明かされていないのである。

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11、では、精神の起源とは?

炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書) [新書] 夏井 睦 (著) の前半部分は炭水化物ダイエット 糖質制限の有用性とその根拠を述べられている。では、後半部分は?・・実は生命の起源にまでさかのぼって、生命体の進化、人類の誕生、穀物栽培文化の誕生と問題点まで網羅する大変深い読み物になっています。

ですから、ただ単にダイエットだけできればいいと思われている方は、ネットで情報検索する位の事で用は足りますので、この本を購入する必要はないと思います。

主食は炭水化物・・・このパラダイム(世に流布している常識)の転換:パラダイム・シフト(paradigm shift)を考える上での読み物としてとらえた方が興味深いし、それこそ、天動説から地動説へのパラダイム・シフトの様な事が現代にもあるかもしれません。

人の心の問題を取り上げる時・・・例えば子育て問題を取り上げるとします。

親として子どもをどう育てるか?

父親は仕事で忙しい、一生懸命働く背中を見せていれば子どもは勝手に理解するに違いない・・・なんて、自分に都合のよい様に理由づけ、合理化する人もいるかもしれません。
母親も、昨今は共働きで父親同然に仕事で忙しい「国策としてゼロ歳児保育を推進していこう」との話も漏れ聞こえてくる。

至極真っ当な話の様に聞こえるが、それは、今、現在、日本と言う国の経済状況と夫婦のライフスタイルの事情を述べているだけで、この2014年に父と母の間に生まれてくる子どもにとってはまったく関係のない話なのだ。

なぜ、人間の子どもは母親のお腹の中で10月10日も胎児でいるのか?
なぜ、人間の子どもは生まれて間もなくは自活できず、相当な期間、母親の庇護がなけれな生きていけないのか?
なぜ、人間の子どもの精神の発達には実母の「だっこ」と「まなざし」が必要なのか?

人がしかるべき食生活を送るようになったのは、歴史的背景と理由(根拠)があります。それと同様に、人の精神の構造にも歴史的背景とそうなった理由(根拠)がある筈です。
動物の心は「本能」で語られます。しかし人の心は「意識」と「無意識」と「言語・言葉」で語られます。

今月は前段に多くの稿を割いてしまいまいした。この続きはまた別の機会に語りたいと思います。とりあえずは物語の入り口への案内でした。

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12、おわりに

今号の月刊精神分析はいかがでしたでしょうか?

食生活のパラダイムシフトから、精神の起源への興味を誘ってみました。

ただ「炭水化物の摂取を控える事」によって「痩せる」よう方法で肥満が簡単に解消できたように、私たちの心のコンプレックス(無意識:複合観念体)が意識化できればいいのですが、幼少の頃、正確には胎児の頃から培ってきた自分の心の有様(構造)は複雑で、そんなに簡単には解明できないのが現状です。・・・が、精神(心の有様)のパラダイムシフトがいつの日か起こるのかもしれません。^^

本当に寒くなりました。月刊 精神分析読者の皆様にって2014年が良い年でありますように。。

2013年平成25年12月31日 月刊 精神分析 編集部A

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 精神分析(セラピー)を受け、インテグレーター(精神分析家)を目指し理論を学んだ人たちが、東北・関東・関西を中心に実際にインテグレーターとして活動しています。  夏には、那須で恒例の「分析サミット」が開かれ、症例報告・研究などの研修会も行っています。  私たちインテグレーターを紹介します。(敬称略)  メールに関して、☆を@に変換したメールアドレスにメール送信願います(スパムメール対策)

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