File.002 精神分析的語り「母の微笑み」と「基本的信頼」

いつもの様に最寄りのスーパーに買物に出かけた。イーオンとかマックスバリュとかの支払いをカード決済してポイントを貯めるトレンディーな24時間スーパーではなく、支払いは現金のみ。周辺地域にすむ中国人が好んで利用する安さで勝負のディスカウントスーパーである。

このスーパーに通っているといつも客は多いし、駐車場も車でいっぱい。日本は本当に不況なのか?と首を傾げる景況ぶりである。

私は数年間継続してこのスーパーを利用しているのだが、最近、レジは「単なるおばちゃん」ではなく、明らかに肌の色が違う東南アジア系の女性(たまには男性もいる)が担当している。最初は「ん?」と困惑したのだが、ちゃんと日本語で接客もできるしレジも普通に出来るし何の不都合もない。更にだ、タイ人だかインドネシア人だかフィリピン人だか知らない彼女達の笑顔が素敵なのだ。

私自身も百貨店で物販の仕事をした事があるが、シツコイくらいに「少し口角を上げて笑顔をつくる」ように営業指導された。それくらい「笑顔」が販売活動や接客や他者とのコミュニケーションをとる時に重要なのだ。

事実、よっぽどツンデレ趣味でない限り、ニコニコ笑っている人に敵意を向けたりしないし、取引をする上で好ましい関係をつくる取っ掛かりには必須なのである。

さて、ここからが心理学的な語りである。

我々は何故「笑顔」を好むのか?

精神発達論(エリクソン)の中に「基本的信頼」と言う単元がある。ネットで検索すると「文部科学省」のサイトには次の一文が掲載してある。

乳児は、外界への急激な環境の変化に対応し、著しい心身の発達とともに、生活のリズムの形成を始める。保護者など特定の大人との継続的な関わりにおいて、愛されること、大切にされることで、情緒的な絆(愛着)が深まり情緒が安定し、人への信頼感をはぐくんでいくが、特にスキンシップは大きな役割を果たすと言われている。乳児は、この基本的な信頼感(基本的信頼:ベーシックトラスト)を心の拠りどころとし、徐々に身近な人に働きかけ、歩行の開始などとともに行動範囲を広げていく。

・・・と。乳児が継続的な関わりを持つ特定の大人とは誰の事か?「母」以外に有り得るのだろうか?温かく柔らかい母の胸に抱かれ、愛情が満ち満ちた微笑みの「まなざし」の中に初めて自分の存在を意識し、オッパイを吸う。母と一体化し万能感を獲得する。これが我々の精神の発達の源なのである。

だから「笑顔」「微笑み」「まなざし」が信頼感・安心感とつながっていくのである。

精神発達論では3年間は実母が24時間体制で育児にあたる事が必要と説いている。

昨今、自己評価が低い人が多いと聞く。一度、自分が乳幼児時代に、どういう環境の中で養育されたか確認しておいた方がよい。自分の無意識(コンプレックス)を解き明かす鍵となる部分である。
スーパーのレジに並ぶと、自然と「乳幼児」が「まなざし」をさがしている様子を観察する事ができる。世の母親達がどれくらい意識して我が子を見ている(看ている)か?ちょっと心配になる瞬間でもある。

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このページは、hirofumiが2016年9月 7日 15:35に書いたブログ記事です。

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