File.012 映画 「HiGH&LOW THE MOVIE」の感想 ネタバレあり

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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映画「HiGH&LOW THE MOVIE」を鑑賞したので感想を報告します。TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルの「週刊映画時評 ムービーウォッチメン」で取り上げる映画の抽選(ムーヴィーガチャ)でEXILE TRIBEメンバー総出演のエンターテイメント巨編「HIGH & LOW THE MOVIE」が当たったので、私も慌てて観る事にしました。

実は、私は鑑賞した後で出演者が「EXILE TRIBEメンバー」と言う事を知りました。疎くてすみません。

私達、中年世代が、街の自治のパワーバランスの変化によって若者グループが抗争を繰り広げる映画と言えば、地元福岡出身の石井聰互監督の出世作「狂い咲きサンダーロード(1980年)」でしょうか?

主演の山田辰夫さんは、既に2009年7月26日に他界。名脇役と評価が高かったのに惜しい人を亡くしました。Youtubeで偶然出てきた「オン・ザ・ロード(1982年)」にガソリンスタンドの給油係のバイク少年役で山田さんが出ているのを偶然発見し笑ってしまいました。ちなみに「オン・ザ・ロード」は渡辺裕之さんの映画デビュー作品。

「HiGH&LOW THE MOVIE」物語的には、かつてこの街を支配していたMUGENグループのリーダー「琥珀」が実弟を抗争の犠牲にしてしまった罪悪感を軸にした構成。実弟の敵討ちをしたいと言う欲求と、かつての仲間たちとの関係の葛藤(板挟み)に苦しむ様子が描写される。

久しぶりに日本の道を大型バイクが徒党を組んで走るシーンを観た。なかなかの迫力で楽しませてもらった。ちょっと前では「ワイルド7(2011年)で観たような記憶がある。深田恭子可愛かったなぁ。若者のバイク離れが言われて久しい。実際、昔の様に大型バイクが列をなして国道を走っている様をみる事は殆どなくなった。爆音族でさえ、たまに耳にする位で・・・。

劇中に登場するのは、殆ど若者で、保護者的な立場の人は出てこない。終盤に、小竹(小泉今日子)と寿子 (YOU)がカウンターで語り合うシーンで「ちょっと、あのこ達ケンカし過ぎじゃない?」「そうねぇ、でも恋愛でも仕事でもなんでも、自分でケンカして自分の道を勝ち取っていくものでしょう」的な会話がなされる。

昔は、暴走族的な若者グループはもうすぐ犯罪者的な扱いを受けてきた。不良グループ→暴走族→チーマー→半グレ→暴力団の見習い→立派な構成員・・というコースが定められたかの様に。

確かに暴力団用語に「親分子分」「兄弟分」「親子の盃」など擬似家族的な関係性が伺える。人として生まれて来た以上、血縁関係のある両親がいて、兄弟がいる筈なのだが、家族関係をうまく構築できず、表社会にも適合できなければ、裏社会において擬似家族の中に身を置かなくてはならなくなる。「ヤクザ者」と言った表現もある。一般的な会社に勤務できず月々の収入が安定しない者をさす。

月刊 精神分析 2014年06月号 萩原流行・まゆ美 Wうつ
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先にバイク事故で亡くなった「萩原流行」さんの自伝的著作の「Wうつ」に目を通すとまさしく、暴力的な父との間に家族関係が構築できず、妻のまゆ美さんを母の代わりとして生きている様子がよくわかる。萩原さんの場合、俳優業と言うヤクザな職業を生業としたわけだが、まゆ美婦人が内助の功で萩原さんを支えていた。その萩原氏も都内を大型バイクで移動中、高井戸警察署の護送車に接触されて転倒し、後ろから来た乗用車に胸をひかれ病院に搬送されたが死亡が確認されると言う残念な結果になってしまった。2015年4月22日、62歳没。

精神発達論を学習すると人の精神が発達する過程において「母の役割」「父の役割」がよく分かる。母子関係、父子関係を抜きにしては人の心は育たないのである。

「HiGH&LOW THE MOVIE」では雨宮三兄弟の関係性は描写されても・・「父」の姿は一切出てこない。この街の産業は何?みなさんどうやって収入を得て、バイクを購入したり、革ジャン買ったりしているの?国民健康保険の保険料の支払いは?などと野暮な疑問を思い浮かべてしまう。すみません。現在の日本社会を象徴して、劇中には「父」も「父性」も登場しません。物語の構成上登場しなくて当たり前なのかもしれませんが・・。

架空の街で展開されるチームの抗争、友情、バイクアクション、乱闘アクションが売り物でしょうか?初見時に予備知識はなくても、じゅうぶん楽しめる作品です。映画「HiGH&LOW THE MOVIE」意外とオ・ス・ス・メです。

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このページは、hirofumiが2016年9月17日 03:46に書いたブログ記事です。

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