File.014 映画 「おくりびと」本木雅弘 精神分析的考察

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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Amazonプライムビデオのお陰で、見逃していた過去作が手軽にチェック出来るようになった。隙間時間でチェックしていくのもなかなか大変ですが、今回、取り上げるのは・・。名作「おくりびと」2008年の邦画です。第81回アカデミー賞外国語映画賞、第32回モントリオール世界映画祭 グランプリを受賞し日本でもブレークした。

かつて、伊丹十三さんの初監督作品に「お葬式(1984年)」と言うのがあったが「おくりびと」納棺師は、死者が天国に旅立つお手伝いをするお仕事で、主に、遺族や参列者等が故人と対面できる様に遺体の見栄えを整える。ドライアイス等で内臓や体全体を冷やし腐敗の進行を抑えたり、表情を整え臭いを抑える含み綿、経帷子等の衣装に着替えさせ顔剃りや化粧をする。

おくりびと:納棺師(のうかんし)を演じるのは本木雅弘。僕達中年世代からすると、1980年代にアイドルグループ シブがき隊(ジャニーズ事務所)の一員:モックンとして歌って踊っていた彼を懐かしく思い出す。

僕の記憶によれば、TBSテレビの「ザ・ベストテン」にデビュー曲(NAI・NAI 16)がランクインし初登場した時に、ヤックンかモックンが滑ってコケちゃうアクシディンとがあったんだよねぇ。覚えている人がいたら教えて下さい。

現在の芸能ニュースではSMAPの解散が取り上げれているが、シブがき隊のアイドル活動は1981年から1988年の僅か7年間であった。その後、メンバーの布川敏和氏はアイドルのつちやかおりと職場結婚するものの2014年に離婚。薬丸裕英氏は1996年から2014年まで、17年半に渡り「はなまるマーケット」の司会を務めた。1990年、アイドル時代より交際を続けていた石川秀美と結婚。本木雅弘は1995年内田也哉子と結婚(婿養子)。岳父はロックミュージシャン内田裕也、丈母は女優の樹木希林。1992年シコふんじゃった。 おくりびと(2008年)。日本のいちばん長い日(2015年)どの昭和天皇役 。天空の蜂(2015年)。・・今や実力者俳優としての評価を手中に収めている。

さて、この「おくりびと」、「HiGH&LOW THE MOVIE」と「スーサイド・スクワッド」を劇場で鑑賞した後にみると「あぁ日本はなんと情緒の豊かな国なのだろうか」と感慨にふけってしまう。

いかなる宗派であれ死者に寄り添い旅立ちの儀式を滞りなくすすめるのが納棺師:おくりびと。遺族の死者への生前コンプレックスが露わになる瞬間。悲喜こもごものシーンが展開される。事故死した娘に「こんな死に方をするなんて」と後悔を吐露する両親。死に化粧をしたお爺ちゃんの顔にキスマークをつける妻と娘と孫娘。お葬式とは思えないホノボノ感が伝わってくる。各々の場面での本木雅弘君の納棺までの所作の描写(演技)が素晴らしい。

劇中でも幾度となくこのセリフを聴いた「人間、誰でも死ぬんだよ」と。いつかは我が身か・・と、なるべくそう言う事や事態を想像の域から追い出し「縁起でもない」と避けてはいるが、いつか確実に突然その瞬間はやってくる。

精神発達論を学習すると・・エロスとは、性本能・自己保存本能を含む生の本能をさす。死の本能(衝動)であるタナトスと対になる概念。メラニー・クラインは、乳児のタナトス(破壊衝動)が思い通りにならない母親の乳房に投影されると考えた・・などと言う件が出てくる。生きていく事に使える知識です。

あ、それから、石井聰互監督の出世作「狂い咲きサンダーロード(1980年)」で主役を演じた山田辰夫(魔墓呂死特攻隊長の仁役)さんが、劇中で遺族役で登場:納棺師の到着が予定より5分遅いことに文句を言うものの、納棺後、妻について「あいつ、今までで一番綺麗でした」と感謝を述べるシーンがある。この作品の公開が2008年。山田辰夫さんが亡くなったのは翌年2009年7月26日。胃がんで死亡(53歳)でした。誠に残念。

日本映画:邦画が面白くないと言われ、テレビの普及もあり、人々の映画館離れが急激に進んだ1960年から1995年頃まで、邦画暗黒の時代であった。ところがである、今年2016年、映画(邦画)が面白い。精神分析的視点でお話の背景や主人公の立ち位置、心情、精神構造など考察するのが楽しくなってしまう。

<今年(2016年)に入って私が劇中でみた邦画一覧>

ちはやふる -上の句-:「海街diary(2015年)」広瀬すずが輝いている。
アイアムアヒーロー 2回鑑賞:有村架純 が好演。後半寝てますけど。
ちはやふる -下の句-
64-ロクヨン-前編/後編-
テラフォーマーズ
世界から猫が消えたなら
海よりもまだ深く
ヒメアノ~ル
ディストラクション・ベイビーズ
サブイボマスク
クリーピー
葛城事件
TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
日本で一番悪い奴ら
シン・ゴジラ 4回鑑賞
ケンとカズ
君の名は。

精神分析の分析対象にもってこいなのは、やはり「葛城事件」ですかね。
月刊 精神分析 2016年10月号 葛城事件考察
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ライムスター宇多丸氏や、町山智浩氏の映画批評は大変面白いです。ネットで検索してみて下さい。色々な気付きがあると思います。みなさん!まず映画は劇場でみましょう!

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このブログ記事について

このページは、hirofumiが2016年9月19日 00:04に書いたブログ記事です。

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