File.024 うる星やつらにみる藤波竜之介の性倒錯の精神分析的考察

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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僕が学生時代一世を風靡した「うる星やつら」(週刊少年サンデー連載:1978年-1987年)の登場キャラ「藤波竜之介」を例に性倒錯を精神分析的に考察してみたいと思います。

-性倒錯の構造 フロイト/ラカンの分析理論 著:藤田博史-

に目を通していて、そう言えば「うる星やつら」の藤波竜之介は性倒錯者である。

藤浪竜之介とは。以下ウィキペディアから。

高橋留美子原作の『うる星やつら』の登場人物。女性ではあるが、竜之介の父は、浜茶屋の跡取りが男でなければならないと決め付けているため、一人っ子の竜之介を「一人息子」だと断固主張する。浜茶屋を経営する変わり者の父に男として育てられた為、行動が男っぽく荒々しい。一方で女としての自覚はあるので、男扱いされるのを嫌う。男と間違われたり、父親にからかわれたりすると激高して「おれは女だ~!」と叫んで殴り飛ばすシーンが定番となっている。いつも男の格好をしているが、竜之介が女の格好をしようと画策しても、必ず父に妨害され失敗に終わっている。

以上ウィキペディアから。

解剖学的な見地からみると藤波竜之介は性染色体としてX性染色体のみをもつ (XX)女性なのであるが、父によって「男」として育てられたので、象徴界において、男性の性別を刻印されている。解剖学的にはペニスを持たず、精神分析学的には象徴界に「男性」を登録された人と言う事になる。

実母は藤浪竜之介が赤ん坊の頃に逃げたと言う設定になっているので、竜之介の養育史は謎であるが「母不在」である為、健全な自我が育っているとは言い難い。0歳から3歳は口唇期と言って精神発達上、母の存在が最重要な時期(日本古来の諺でも三つ子の魂百までという)なのだが、この時期に母がいないと、母性剥奪と言って、心身ともに発達の遅れが顕在化する事となる。言語の発達、語彙数増加、体重増加の遅れが発生し、心的にも「基本的信頼」「万能感」「自己肯定感」が獲得できず、常にネガティブ思考で生きていく事になる。・・健全な「自我」を持っていない竜之介。

更に普通の男性の場合は、5~6歳頃性差が発生しエディプスコンプレックスの時期を迎える。ここで、初めて「父」が登場し、男の子は父との母争奪によりペニスを切り取られるのではないか?と言う「去勢不安」を持つ。その後、象徴界に参入し「超自我」により社会性を獲得するのだが、竜之介は解剖学的には「女性」であるから、そもそもペニスを持っておらず「去勢不安」はない。むしろ女性特有の「ペニス羨望」・・父のペニスを所有したいという願望空想を持つようになるのだが、象徴界に男を登録されている竜之介は「そのうち、ペニスが生えてくる」と無意識的に決着をつけて、男である父と一体化したのかもしれない。これは「ペニスの欠除の否認」と言える。

藤浪竜之介のキャラを振り返ると、弱い者イジメを許さない正義感(社会性)を持っていたり・・この根拠は「超自我」の存在。象徴界には「竜之介」と言う男性名を刻まれているのにも関わらず意識上は「女性」で・・事実、物語の中で男の格好をした(学ラン着用)竜之介が激高して「おれは女だ~!」と叫ぶ。ここは読者の笑いのポイント。

身体は女性なのに、無意識の象徴界には「男」を登録。しかしながら意識上は「女」である竜之介は、ブラジャー着用や女装に憧れに近い願望を持つのだが尽(ことごと)く父に妨害される。

家業「浜茶屋」の跡取りとして無理やり「男性」を象徴界に登録されて育った竜之介は、肉体的には巨乳(いつもはサラシを巻いている)であったり、女性であるから、象徴界の「男性」を「女性」に書き換えれば性倒錯者でなくなるのは可能。竜之介を男として登録した父の存在を打ち消して、名前も「竜之介」から「竜子?」に改名する事になる。

漫画のキャラクターを仮定の机上で分析するのは興味本位の考察なのだが、世のリアルなLGBTの人々の心的負担は尋常ではないのである。

LGBT:どの性を好きになるかを示す「性的指向」のレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、男性か女性かなどの自己認識を示す「性自認」のトランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)。

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このページは、hirofumiが2016年10月 1日 10:35に書いたブログ記事です。

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