File.025 映画「おかあさんの木(2015年)」にみる「オールOK子育て法」の精神分析的考察

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

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Amazonプライムビデオのお陰で、見逃していた過去作が手軽にチェック出来るようになった。隙間時間でチェックしていくのもなかなか大変ですが、今回、取り上げるのは・・。

「おかあさんの木(2015年)」鈴木京香主演作品。貧しいながらも懸命に育て上げた7人の息子たちを兵隊にとられるたびに桐の木を植え、彼らが無事に生きて帰るのを待つ、優しい母親・田村ミツを鈴木京香さんが熱演。監督を務めるのは、『解夏』『がんばっていきまっしょい』の名匠・磯村一路。

大東亜戦争中、赤紙と呼ばれる軍への召集令状を村役場の係の人が持ってくる。戦地に送り出した子ども達が戦死した報が次々に届く。お骨なんかありはしない。おかあさんが、汽車で戦地に旅立つ五郎の足元にすがりつくという「非国民」的な行動に出てしまい、憲兵に蹴り上げられ尋問を受ける事になるシーンでは、あまりの酷さに強く拳を握りしめた。

もう50歳を超え中年の域に達した私たちは、東京オリンピック以降の高度経済成長期を謳歌した世代であるが、福岡市での小学生時代、夏休みには「平和授業」を受け、修学旅行で長崎を訪れた際には「長崎原爆資料館」が見学コースに入っており、放射線を浴びた妊婦から生まれた脳がない、手足がない、目がないといった赤ちゃんの標本をみせられ戦争が如何に悲惨な結果を導くのかをたたき込まれた。

その後、なぜあんな悲惨な結果を招く戦争をしたのか?せざるを得なかったのか?突き詰めていくと「時代背景」を深く鑑みる自分がいるのに気付く。

昭和04年生まれの私の実父は、16歳で終戦時予科練におり、脊振山脈を超低空飛行で移動するB29をみて「あぁ負けたな」と思ったと語っていた。父の兄は中国大陸で終戦を迎えソビエト軍に連行されシベリア抑留の憂き目にあった。

終戦の1945年から70年。ヨーロッパで難民問題がおこっても日本では遠い対岸の火事状態。北朝鮮が日本海にミサイルを打ち込んでも一過性の報道で終わる。ニューヨークで爆弾テロが起こっても、お台場にポケモンGOのレアキャラ(ラプラス)が出るとポケモントレーナーが500人集結。なんとも平和な我が日本である。

街中で政府批判をしても憲兵がやってきて連行される事はないし、デモ活動をしても機動隊に催涙ガス弾を打ち込まれる事もない。

これだけ自由で豊かな筈の日本に生まれ育った子ども達がイジメで自殺したり、社会適合できずに引きこもったり、統合失調症に罹ったりしていると言う。なぜ?

まるで戦争時代を継続しているかの様に祖父祖母からの支配の構造が、父母に継承され、さらに子ども、孫の精神の発達に影を落としているとしか捉えようがないケースが沢山ある。

まるで、戦争時代の「勝つ為」にと言う理由付けが、現代では「いい学校に通う為」「いい会社に入る為」「収入の良い安定した仕事に就く為」「家業を継承する為」「親と同じ職業に就く為」・・本人の欲望は徹底的に抑圧し、親が思った通りの人間に育てる。それって、お国の為、天皇陛下のおん為にと戦地に向かった兵士と何の違いがあるのだろうか?ましてや、親子関係と言う閉じられた世界の中で「言う事をきかないと追い出す」と脅迫され、日々自我を殺され続けるのである。

あれしちゃダメダメ、これも駄目。オールNG環境で育って、健康な自我を持ってない子どもたちは、些細な事でつまづき、問題行動(親に対するサイン)非行や自傷行為に走ったり、社会から撤退し、自室に立てこもる=引きこもりを開始する。もしくは、行動で表さなければ、原因不明の病気にかかる事で抵抗する。一番わかり易い例が、登校時間になると、頭痛がする、腹痛がするなど。この手の病は大学病院でいくら血液検査をしても異常値は出てこない。

そう言う意味では、まだまだ人の精神の発達に於いては戦争はまだ終わっていないのである。継続中。

子どもの非行・心の病・親子関係・引きこもりのご相談承ります。

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このページは、hirofumiが2016年10月 1日 17:32に書いたブログ記事です。

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