File.027 家庭内帝国主義支配の終焉 自己同一性の芽生え 精神分析的考察

こんにちは、精神分析家 進志崇献@福岡です。

人はある時「私って何者?」と言う疑問を抱く。

進志崇献(しんしそうけん): lacan.msl.f@gmail.com

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子ども時代は何もわからず親の顔色をみながら生活しているのだが、成長するに従って社会的な自分の立ち位置や、思想的な方向性を垣間見る事になる。だんだん世界が広がってくるって言うやつだ。

現在、私は精神分析家に立脚しているのだが、そう言う考えを取り入れたのは、40歳を過ぎてからである。

私の祖母は明治生まれ、父は昭和04年生まれ、父は16歳の予科練時代に終戦を迎えた。祖父は、戦前のアメリカへの留学経験のあるインテリさんで英語はペラペラ、昭和初期、三菱合資会社長崎支店唐津出張所に勤務しており相知炭田から掘り出される石炭の海外への輸出業務へ携わっていた。私の父は、三菱の社宅で生まれたので正確には唐津生まれと言う事になる。小学校5年生までは妙見山で遊んでいた。その後、北九州市(当時は八幡市)へ転勤になり、父が中学生の時、祖父は他界した。

一家の大黒柱を失った祖母と父は、祖母の本家(箱崎村)に戻って、終戦を迎えた。

祖母は他者と再婚、私の父は祖母の連れ子として養子(名字が変わる)に入り、そして母が嫁ぎ、私を含む兄弟3人が誕生し、祖母名義の木造2階建ての家に、義理の祖父、祖母、父、母、兄弟3人の計7人家族生活が始まった。これが昭和30年代1955年代の家庭内体制である。

義理の祖父は縁側でキセルでタバコを吹かし、時折痰壺にタンを吐く風情を覚えているのだが、特にモノを言う人ではなかった。

父は、父の兄弟の中では末弟であるのにも関わらず、長兄は大陸で終戦を迎えシベリア抑留の憂き目にあい、日本に復員してからも祖母と一緒に暮らす事はなかった。行きがかり上と言っていいのかわからないが、祖母に言いなりの末弟(私の父)が祖母のお世話をする事になったと言うわけだ。

さて、ここで問題なのが、せっかく社会体制は軍国主義から民主主義に変わった筈なのに、家庭内の政治体制は民主化されず、祖母が入信した宗教教義を家庭内政治に持ち込んだ事だ。明治以降連綿と続いた帝国主義が敗戦によって崩壊して、いきなりGHQによって持ち込まれた民主主義に馴染めず、日本古来の仏教思想をベースにした新興宗教を家族の有り様として祖母が持ち込んだのである。

お経を唱えると仏になれるとか、教義に背く物は地獄に堕ちるとか、罰が当たるとか、支配する側には都合のよい文言がならぶ。これ以降、祖母は家庭内教祖になり「私の意に添わないものはバチが当たる」的な体制を家のあり方にした。社会体制の混乱期に安定を求めた結果なのかもしれないが、そう言う体制の家に生まれた僕達兄弟は、民主主義の学校教育を受けながらも、家に戻れば、新興宗教の組織の一員である為の教義教育を受け、宗教活動も課せられる事になり、各々の組織体制用のペルソナ(仮面)を被ることになった。

本来なら実父が一家を率いる指導力「父性」を発揮すべきなのだが、父は祖母の言いなり、とても私は「父」をモデルとして「父」になる事はできなかった。よく母が「あんたのお父さんは、おばあちゃんのリモコンよ」と言っていたのを覚えている。

個人の欲望と家族の一員である為の私(自我)と民主主義国家の一員である私(自我)と生活様式そのものが既に分裂気質であると言ってよい。更に「父」不在。

子ども時代は、親や祖母の顔色を伺い、学校では先生の顔色を伺い、カメレオンの様に生きていけるのだが、思春期を迎え「自己同一性」が発達課題になる頃・・色々困った問題が起こってくる。

北朝鮮に生まれた人が表向きは「敬愛する将軍様」を標榜して生活していても、ある日、波乱分子と認定されて射殺されるか?体制の抵抗勢力として生きていくか?または脱北(亡命)して国外に逃れるか?選択しなければならない時期が来るのだ。

精神分析の世界では、心的問題を抱えたまま育った人は、思春期になると、問題行動(非行、家庭内暴力)を起こすか?肉体に疾病として現れるか?精神的な病に掛かるか?いづれかと言う。

私の場合は、思春期から原因不明の疾病に悩み、35歳での単独の車の事故を転機にライフスタイルを改め、生活に精神分析的知識を取り入れ現在に至っている。ちなみに、事故以来、原因不明の疾病は一度も再発していない。

あの日、戦後も続いていた女帝(祖母)による政教一致家庭内帝国主義は終焉を迎えたのだ。

正直に言えばもっと早く「ライフスタイルの心理学」的な知識を得ていれば、自分の生きたい生き方を選択できたのにと思ったりします。

人に歴史あり。

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このページは、hirofumiが2016年10月 2日 15:07に書いたブログ記事です。

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