1、はじめに
こんにちは月刊精神分析編集部Aです。今月もまたお会い出来ましたね。^^
今月の月刊精神分析のテーマは「体は心のモニター」です。端的に言うと、心の状態が体に反映しますよ・・と言う事を精神分析的視点から論じてみたいと思っています。
精神分析の世界では「心と体」は密接な関係があり、心の有り様が体に反映されると説きます。例えば、ラカン精神科学研究所の安朋先生は、過去のブログで心と体の関係を以下の様に解説されています。
以下引用------------------------------------------------------------------------
一般的には、体の病気のために、ある症状を出すと考えるが、心が病気を作り出している。
例えば、緊張すれば心臓がドキドキする。心が落ち着けば心臓の動きも落ち着く。
緊張が血管を収縮させ、血圧を上げる。緊張を増加させるのは不安である。
最初に肉体に信号を送るのは精神であり、そういう精神の構造が体に負担を与えていく。
それが固定化したものが病気であろう。
固定化されるまでの前段階に心は作用しているが、固定化してしまうと、病気がどのように形成されたのか忘れてしまい、わからなくなる。
医者が診ているのは、体に出た症状という結果だけで、それが形成されるまでのプロセスは見ていない。
肉体は心の結果でしかない。
だから、逆に病気という結果から、その基ととなった心の状態を探ることも出来る。
大まかに言えば、死に至る病気は緩やかな自殺と言うことができ、攻撃性が自分に向いたものである。
心と体の関係は密接であり、はじめに心有りき、体は心のバロメーターである。
現代のストレス社会のなかで、心のバランスを崩している人たちが多いが、心の健康が、体の健康にもつながる。
ぜんそくは母への叫びである。
それを裏付けるような記事があった。
「子供の幼少期に母親のストレスがたまっているとその子供がぜんそくになる可能性が高まる-。カナダのマニトバ大学のコジルスキー准教授らの研究チームは『米呼吸器・救命医療ジャーナル』誌の最新号でこんな研究結果を発表した。・・・母親の抑うつ状態が長期間続いた場合、それがなかった母親に比べ、子供が7歳時にぜんそくになっている確率が1.6倍にも上昇したという。」(Yahoo!ニュースより)
「おかあさん、こっち向いて」 「おかあさん、抱っこして」 「おかあさん、甘えたいよ」
子どもは、おかあさんに言いたいことがたくさんある。
けれどもそれが言葉にして母親に言えないと、言葉にならない言葉が咳となる。
この記事にあるように、母親ストレスを抱えていたり、抑うつ状態などのであれば、当然子どものことに関心を向けることができなくなり、結果子どもは母親に見捨てられたと思うだろう。
イライラしている母親、元気のなさそうな、ふさぎ込んでいる母親、それらを子どもはみていて、今母親に何かを言えそうにない、頼めそうにない、甘えられそうにないと思い、我慢し黙ってしまう。
それが度々または、長期にわたれば、身体化されぜんそくになる。
大人でも、ある中年のクライアントが、突然ぜんそくとなった。
肺癌をうたがい、病院へ行き検査をしたが、器質的に問題はなかった。
そこで、「田舎に帰ってお母さんと過ごしてきてください」と分析者は言った。
クライアントは母と一緒に布団を並べて寝たという。
そしてぜんそくはとまった。
以上引用------------------------------------------------------------------------
次にシニフィアン研究所の迎意先生は、過去のブログで次の様に考察されています。
以下引用------------------------------------------------------------------------
「疾病利得」という言葉がある。
病気をすることで、その人にとって何らかの利得があることをいう。
まるで、サスペンスのセリフと同じだ。
「病気やけがをすることで、その人にとってどんな得があるのか?」
このように問いかけてみると、その人の欲望が見えてくる。
例えば、学校や習い事に行きたくない子どもが一番使う手は
「お腹が痛い、頭が痛い」という言葉だ。
親はびっくりして病院へ連れて行くが、ドコも悪くないと言われる。
あるいは、「サボりたいんだな」と見抜く親は聞く耳を持たない。
この手が通用しないと感じると、次の手段へと出る。
本当に病気になったり、怪我をして入院する。
ここまでくると
堂々と学校や職場、塾、習い事を休めるし注目される。
周りの同情やいたわり、温かいまなざしをもらえる。
あるいは、一番独占したいと思っている人を独占できる。
もちろん、意識している場合よりも無意識的な場合のほうが多い。
本人もまさか、自分が好き好んで痛い思いなどするはずはないと思っている。
このように、人は自らの身体を傷つけ、痛い思いをしてまでも
手に入れたいものを手に入れるもののようである。
なお、休みたい期間に応じた程度の病気やけがをする。
つまり、長く休みたいければそれだけ重症となるだろうし、
短期間で目的を果たすならば軽症となるだろう。
疾病利得だと感じてソレを指摘しても無意味である。
手に入れるまではどんな方法を使っても求め続けるものだから。
何よりも、求めているものを与えることでしか埋まらない。
気付いたなら満足するまで与え続けよう!
このように、時として病気や怪我も言語と同等のメッセージである。
否、言語化できない、しても聞いてもらえないから、疾病利得を使うのである。
「かゆみ」には湿疹やアトピー性皮膚炎、乾燥や虫さされなど外的要因によるものなど様々ある。
「かゆみは愛の対象から理解されたいという強い欲求である。」
と書いたのは、ディディエ・アンジューである。
その前に「幼年時代、母親や家族からの優しく、温かい、確固とした、安心させるような、意味深い接触に出会えなかった場合」とも書いている。
殆どの人はこのような状況に近いのではないだろうか?
だとしたら、ほとんどの人は何らかの「かゆみ」という手段を使って
自分の欲求を表現する可能性は大きいと言えるだろう。
確かに、臨床の中で「皮膚はクライアントの語らいである」と感じることも多々ある。
「かゆみ」の場所が同じであっても、その語らいはクライアント固有のものである。
かゆみによって、肌に触れて欲しい、注目して欲しいとの欲求を訴えていることもあるし、
自ら血が出るまで掻きむしることによって、自分の領域を意識する場合もある。
痛みとその痕跡によって生きていることの実感を得る人もいる。
嫌悪する人の声を聞いたとたん、全身がかゆくなってしまった人もいる。
好きなアーティストの音楽をiPodで聴くことを止めた途端、耳の後ろがかゆくなり掻きむしったという人もいる。
それは心地良い声によって自らが至福の時を過ごすことを中断することによって
無意識にかゆみとなって身体症状化となって現われた。
その証拠に、皮膚科のどんな薬も効かず、分析の場で言語化した途端、かゆみは消えた。
その人にとっての「愛の対象」から理解されたいという強い欲求が、
皮膚という身体の一部を使って「かゆみ」という症状を作り出すのなら、
その「かゆみ」の意味するものをその人固有の言語に置き換えたら、消失するのは確かだと言えるだろう。
以上引用------------------------------------------------------------------------
2、登場人物プロフィール
惟能創理(いのうそうり)
日本初のインテグレーター(精神分析家)
編集部Aのスーパーバイザー 。
1951(S.26)年 埼玉県熊谷市に生まれる
1992(H.04)年 大沢精神科学研究所設立
1992(H.04)年 道越羅漢(みちおらかん)となのる
2008(H.20)年 LAKAN精神科学研究所に名称を改める
2008(H.20)年 惟能創理(いのうそうり)に改名する
著書紹介:
月刊精神分析 2009年01月号 運命は名前で決まる
月刊精神分析 2010年01月号 心的遺伝子論 産み分け法。
新谷 弘実(しんや ひろみ)
新谷弘実は、福岡県出身の外科医。2007年現在、アメリカのイェシーバー大学アルベルト・アインシュタイン医学校外科学教授で、胃腸内視鏡の分野の医師である。『病気にならない生き方』という健康法を提唱した著書がミリオンセラーになった。
健康法:新谷弘実は、説明のためにミラクル・エンザイムという用語を造語して、この消耗を避けることで健康になれると主張している。また胃腸内視鏡で30万人以上の腸内を見てきた結果、動物性食品をよく食べている人は腸内の状態(腸相)が悪いことを報告した。そして、主にこの2つの理由を根拠とした健康法「シンヤビオジマ」を提唱している。
食事は、全粒穀物や豆を中心として大部分を植物性食品から摂取し、たまに小魚や鶏を食べることをすすめている。
-------------------------------------------------------------------------------南雲 吉則(なぐも・よしのり)
1955年、医家の4代目に生まれる。ナグモクリニック総院長。父は日本の美容外科のパイオニア吉和氏。東京慈恵会医科大学卒業後、東京女子医大で形成外科を、癌研究会付属病院外科で癌治療を学び、慈恵医大学第一外科乳腺外来医長を経て、乳房専門のナグモクリニックを開業。「女性の大切なバストの美容と健康と機能を生涯にわたって守る」をモットーに東京・名古屋・大阪・福岡の4院で癌手術、乳房手術に情熱を注いでいる。乳腺専門医、医学博士。2012年国際アンチエイジング医学会名誉会長。慈恵医大、近畿大学の非常勤講師、韓国東亜医科大学、中国大連医科大学の客員教授。乳癌学会、形成外科学会、美容外科学会では毎回セミナー講師を担当。テレビではレギュラー、コメンテーターとして、人気番組に数多く出演。主な著書に『50歳を越えても30代に見える生き方』(講談社+α新書)、『ゴボウ茶を飲むと20歳若返る』(ソフトバンククリエイティブ)、『錆びない生き方』(PHP研究所)など
-------------------------------------------------------------------------------高杢 禎彦(たかもく よしひこ)
高杢 禎彦(たかもく よしひこ、1962年9月9日 - )は、福岡県久留米市出身のタレント・俳優・元歌手。通称はモク。柳川高等学校卒業。
理容室を自営していた夫婦の下に出生。兄弟は他に姉が1人いた。藤井郁弥と藤井尚之の幼馴染み。当時未成年だったが酒に酔っていた郁弥にチェッカーズ加入を頼み、2度のテストを経て加入。チェッカーズではサイドボーカル(コーラス)を担当した。高杢が作詞やメインボーカルを担当した曲もある。
チェッカーズに属していた当時から俳優活動をしており、バンド解散後に出演した映画では凶悪犯の役を務めた。2003年には作家活動を開始し、自らががんを患っていたことや、チェッカーズ時代の暴露話を書いたエッセイ『チェッカーズ』を発表。その内容はファン以外からも注目を浴びた。そして、その翌年にはエッセイ第2作『ガンが教えてくれた大切なもの』を発表した。同書は現在では絶版になっている。高杢は著書『チェッカーズ』で、いつかファンの前で「ギザギザハートの子守唄」「涙のリクエスト」「哀しくてジェラシー」などを歌ってみたいと語っていた。私生活では、チェッカーズ時代の1990年12月にレースクイーンをしていた女性と結婚し、一男二女を儲けた。
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迎意愛(むかいあい)
精神分析家。シニフィアン研究所(埼玉県上尾市)主宰。1954年和歌山県生まれ
連絡先:signifiant1@gmail.com
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安朋一実(やすともかずみ)
精神分析家。ラカン精神科学研究所(滋賀県大津市)主宰。1958(S.33)年4月22日生まれ。
出身:滋賀県大津市。二女の母。
神戸親和女子大学児童教育学科(兵庫県神戸市)卒業。
会社勤務の後、結婚し専業主婦になる。
二女の子育てに悩み惟能創理先生の精神分析治療を受ける。
インテグレーター(精神分析家)養成講座を受講の後、独立開業。
現在、新進気鋭の分析家として、引きこもり不登校の子供を持つ母親を全力で支援している。
同研究所は「京都府ひきこもり支援情報ポータルサイト」の支援団体として登録。
メルマガ発行:子育てメールマガジン 育児法 引きこもり 家庭内暴力 非行 不登校
連絡先:lacan.msl@gmail.com
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編集部A(へんしゅうぶえー)
月刊精神分析(げっかんせいしんぶんせき)編集部員。
ラカン精神科学研究所福岡支所
1963(S.38)年3月12日生まれ
出身:福岡県福岡市。
コンピューター会社のシステムエンジニア。食品工場の生産管理業務に従事。
飲食店の経営、飲食店の営業職、旅客運送乗務員を経た後、月刊精神分析編集部。
宗教色の強い家庭に生まれ育つ。
二十代の頃、原因不明の疾病に苦しむが転地療法にて完治した経験から、心の作用に興味を持つ。
ひょんな切っ掛けから「精神分析」の世界を知り、約三年半色々な書籍を読み漁る。
現在「月刊精神分析」の編集に関わりながら、惟能創理先生のセラピーとインテグレーター養成講座を受けている。
性格分析:自己分析、コンピューターのSE(システムエンジニア)をしてきただけあって、緻密な作業ができるA型(血液型)人間である。自分の部屋はちらかっていても許されるのだが、漫画本の1巻から・・はきちんと順番通り並んでいないと気が済まない。物事は手順を考えて、1から順番に進めていく。よって「適当にやってみて駄目でした」という事は出来ない人で、やるからには成果が出ないとかっこ悪いと感じ、失敗を恐れるタイプである。
連絡先:lacan.fukuoka@gmail.com
3、皮膚と自我(お化粧のノリ)
例えば女性の方は毎日鏡の前でお化粧されると思いますが「今日は化粧のノリがいいわ」とおもわれる事があるでしょう。お肌の状態は毎日違います。特に精神分析の世界では皮膚と自我は綿密な関係があると言われています。
例えば「皮膚と自我」でGoogle検索すると以下の書籍の紹介文などが出てきます。
以下引用------------------------------
皮膚・自我 作者: ディディエアンジュー1、Didier Anzieu、福田素子 出版社/メーカー: 言叢社
フランスの精神分析家ディディエ・アンジュー (Didier Anzieu) の触覚論 = 皮膚論 = 自我論。自我の構造が皮膚・触覚の構造と相同的であり(皮膚 = 自我 le moi-peau)、五感のなかでも触覚が根源的である、というのが基本的なラインらしい。ラカン (Jacques Lacan) の理論が鏡像段階の概念などで知られるとおり、どちらかといえば視覚優位であることと対称的である。エディプス段階以前の自我構造を論じた議論としてプレ・エディプス的な理論であり、学説史的にもエディプス・コンプレックスを発見する以前のフロイトの自我論に依拠しており、この点でもプレ・エディプス的自我論といえるだろう。
以上引用----------------------------------
月刊精神分析でも既刊で「皮膚と自我」を論じている号がございます。
更に「お化粧のノリ」でGoogle検索すると・・
OkWaveに以下のQ&Aがでてきます。
以下引用----------------------------------
問い:非常に初歩的な質問なんですけど、
「化粧のノリが悪い」ってどういう状態なのでしょう?
化粧のノリがいいとか、悪いとかいう意味がよくわかりません。
答え:こんにちは。
ノリが悪い時はいつもと同じように化粧していても
厚化粧に見えたり、肌がくすんでみえたり、
カサカサしていたり、粉がふいていたり。
すぐ落ちやすくなっていたり、
口紅やアイシャドーなどのカラーメイクもなんとなくいつもと違う色に感じたり。
基本的にお肌の健康状態が悪いと化粧のノリは悪くなりますね。
その他にも、天気だったり湿度だったり環境でノリが悪くなったりします。
ノリがいい時は他の方もおっしゃってますが「自然」な感じに見えるし、化粧持ちもいいですね。
以上引用----------------------------------
つまり女性は「化粧のノリ」によって「お肌の健康状態」が日々変わるという事を感じていると言うことです。
更に、お肌の健康状態=心の健康状態だったら?と言う事が「体は心のモニター」と言う今号の切り口です。
4、胃に腫瘍?健康診断で精密検査
今号で「体は心のモニター」と言うテーマを取り上げたのは私の身に起こったある事件がきっかけでした。
実は、私は、今年の3月に会社で集団検診定期健康診断(恒例)を受けました。
例年の通り検査項目は、身長、体重、心電図、採血、再尿、検便、視力検査、バリウムを飲んでの胃のX線撮影(世間では胃透視と言うのが通例の様です)。
そしてこれも例年通り1ヶ月して検査結果が会社に送られてきました。
ところが、今回は私宛に見慣れない封筒が・・「?・・」と思い封を開け書類に目を通すと、胃透視の結果「腫瘍の疑いがあり精密検査要」と書かれていました。この場合の精密検査とは胃カメラ(内視鏡)による検査の事をさします。
ここで、一気に心に不安が込み上げてくる。胃に腫瘍という事は?もし精密検査の結果、悪性腫瘍と診断されれば、それは胃癌であり、癌(がん)は放っておけば人体の各臓器に転移・機能不全に陥れ、確実に死に至る病である事は世間の常識である。
そして癌と言えば、抗癌剤、放射線治療、手術による患部の切除と言った心身に過度な負担をかける治療方法ばかり。
近年は医学が進歩し「早期発見早期治療で治る病気」と言われるが、我が国にあける年間100万人の死亡者数の約3割が癌による死亡者であり、死亡原因:第二位の心疾患の約2倍の数で癌はダントツ死亡原因ナンバーワンなのである。
癌は日本人が当面、もっとも注意しなければならない疾病なのである。部位別の話をすると、男性の場合、最も多い癌は「肺がん」、次いで多いのが「胃がん」・・・。
さてどうしよう。
私の脳裏に浮かんだのは2つの選択。
1、仕事も忙しいし「自分に限って癌はない」と決めつけて検査通知は見なかった事にする(しらんぷり)。
いやいや、
2、万が一を考えちゃんと精密検査(胃カメラ)を受け、最悪の場合でも早期発見早期治療で対処する。
熟慮の結果2を選んで早速、検査の予約を指定病院に入れる。
5、精密検査を受ける「意味」
一般の社会人の方ならここまでの話の流れは理解できるであろう。
「善は急げ」と言わんばかりに検査の予約を入れたものの、そう簡単に心の不安感は払拭されない。俺の「胃」はどうなっているのか?イヤな事ばかりが脳裏を霞める。
自分の胃の検査歴を思い出してみる。昨年は「異常なし」。一昨年はX線胃透視で「ポリープ有り」の注意があった。そうそう、一昨年まで勤務していた会社はイヤな上司がおり、何かにつけて胃が痛い思いをしていたので、やっぱり「ポリープ」ができているのかと思い、転職をしてそのストレスから解放された昨年の「異常なし」と言う結果に満足していたのだ。
ただ、今年の「腫瘍の疑いがあり」と言う検査結果は腑に落ちない。現在の仕事は夜勤の為、満足な睡眠が取れない事と、深夜の眠気対策のカフェイン摂取位が胃に負担をかける事として思い浮かぶのだが、以前の職場に比べると現在の職場環境は精神的負担が大変少なく日頃「ストレスからの来る慢性的な胃痛」などを感じる事はなかった。
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ちなみに「精神分析」の世界で「胃が痛い」の意味は3つあると言う。
1、言いたい
2、居たい
3、会いたい
1は、胃痛い「いいたい」音の意味通りに「言いたい」。言いたい事が言えない事によるストレス。
2は、ちょっと短くして「いたい」。居たい。そこに居続けたいのにいられない事によるストレス。会社に行きたくないのに家に居られない事の辛さ。確かに出勤時の胃の痛みはありますね。
3は、前に嘆きがついて「あぁいたい」。会いたい。寂しくて会いたいのに会えない辛さによるストレス。寂しさ故に胃が痛い。つい過食して太ってしまう人は多いですね。これではダイエットなんて絶対無理です。
ここから、私が注目したのは私自身の心・・そう、無意識である。幾ばくかでも心理学や精神分析の知識を持っているのならば、今、自分の目の前で起こっている事は、自分の心の中の何が因している事なのか?考えなくてはならない。
しかし、今の段階では、私の胃に本当に腫瘍があるのか?はたまたそれが良性か悪性(癌)かもわからない。もっと言えば腫瘍そのものもあるかどうかわからないのである。
見てみないとわからない。そう、まだ「わからない」のである。
にも関わらず、私の心の中はすでに暗雲が立ち込めている。手術になったらどうしよう?入院中の生活費は預貯金でまかなえるのか?今から速攻でガン保険に加入しようか?いや、抗癌剤や放射線治療のストレスで髪の毛が抜ける様な状況になるなら治療なしで安楽に死んてしまいたい・・。
人の心の中はそこまで暗澹たるイメージが膨らむのである。
ちょっと待てよ。自分は何よりも健康を害するのを恐れて、食生活にも気を使ってきたし、毎日、有酸素運動をする事も心掛けてきた筈では?
そう思うと「自分が癌になる筈がない」と思いたい自分がいる事に気付く。
ただ、日頃からストレスを感じる場面で胃がキリキリと痛む事は普通にあるので、俺の胃は絶対大丈夫と言い切れない自分がいるのも事実である。
現実に「俺は胃がんかもしれない」と思った時点で、すでに気分は重く、なんとなく胃が重たくなっている。
胃は不思議な臓器でストレスに敏感に反応する。私の胃はどうなっているのか?
たった一枚の検査結果が書かれた紙切れによって人の心(精神)はこうも左右されるものなのである。
ここで私は惟能創理先生に緊急セラピーを依頼(お願い)する事を思いついた。
6、緊急電話セラピーとは?
精神分析(セラピー)の要件として「最低月に1度、1時間程度のセラピーを継続して受け続ける事」と言うのがある。精神分析は人の無意識を発掘していく作業なので、ある程度の継続性が要求されるのである。まぁ普通に考えて「半年に一回のセラピーで問題解決をお願いします」と言われても無理な話。もちろん、時間と金に余裕のある人は週1回セラピーを受けても構わない。
私の場合は、月に一度、惟能創理先生と面談し、セラピーを受けると同時に「インテグレーター養成講座」も受けている。遠地でなかなか頻繁に会う事も難しいし、月1がいいペースだと思っている。月に一度「心の棚卸(たなおろし)」をする様な感覚と言えば理解してもらえるだろうか?
しかしながら、社会生活を送っていると、様々なトラブルや事故、事件が不用意に自分の身に降り掛かってくる。こんな時に、第三者の視点から客観的にアドバイスをしてもらえると心が安定して助かる。
こんな時、私は惟能先生にメールし、「緊急電話セラピー」をお願いしている。
先生の都合が合えば、即セラピーしてもらう事も可能だ。
料金は10分で2000円。通常の面談セラピーが約50分で10000円なので、価格的には比例しているのだが、セラピーを施す方にしてみれば、要件が短い時間で済めば一件10分で2000円にしかならない。・・と言う事からしても「緊急電話セラピー」とは、定期的にセラピーを受けいているクライアンとが不意に、セラピストの指示やアドバイスを受けたくなった時に緊急にお願いするセラピーであって、セラピストからすれば特別な(お得意様への)サービスセラピーの様な位置付けの様な気がする。
今回の精密検査の件は私にとって「ひょっとしたら人生の分かれ道(ターニングポイント)」になるかもしれない重大な件であるし、検査を受けるなら早いほうがいいに決まっている。
それで、私は先生に緊急電話セラピーをお願いしたのでした。
7、緊急電話セラピー実施
4月12日夜。ちょうど惟能先生のスケジュールが空いていたのか、メールで連絡した後、時間調整の後、電話でのセラピーとなった。
事の次第を説明したところ、先生からは以下のアドバイスをもらった。
◯まず大丈夫(悪性腫瘍ではない)と思う。
◯検査は受ける事、ガン保険に入る必要はない。胃カメラの検査の後の対応は次回の月1の定期セラピーで行うと言う事だった。
「先生は何を根拠にそう言う判断を下したのか?」と私は考えた。
先生が私に問うたのは、他の家族の病歴(癌)について。
私の記憶では、父は肺がん、母は腎臓癌を経験しているが、胃がんの経験はなかった筈。むしろ祖母が胃がんではなかったか?祖母の腹の手術跡をみた記憶が私にはある。
健康検診の問診票に家族の病歴を記入する欄がある。医学的には同族で同じような病気にかかる傾向があるので、遺伝的な見地から「家族の病歴」を問うのだろうが、私は、家族は一緒に生活する以上、同じような食生活を営み、同じような生活習慣(タバコや飲酒)を持つので、それに起因する疾病も同じようになると考えている。
更に、精神分析的視点を持つと「心の作用」も考慮しなければならい。
以前の月刊精神分析でも疾病利得(しっぺいりとく)について説明した。
2010年01月号 心的遺伝子論 精神分析的生み分け法 第五章 心と身体
2010年12月号 皮膚と自我 リベド血管炎(アレルギー性血管炎)
また、ウィキペディアの精神分析学の疾病利得の項目にはシンプルにこう記述している。
以下引用-------------------------------------------------------
病いであることから得られる利益。フロイトによれば、心的な苦痛を回避するために内的葛藤を抑圧し、その結果神経症のような症状へ逃避する第一次疾病利得(primary gain)と、疾病であることで周囲の者や社会から得られる同情・慰め・補償などを得る第二次疾病利得(secondary gain)とに分けられる。
以上引用-------------------------------------------------------
人の心と体のつながりは単純なものではない。それは至極複雑なものである。誰しも自分や家族の健康を願い欲している筈なのに、現実は自ら自分を病気にしてしまっている事があるのである。それも意図的(意識して)ではなく、無意識に。
現実にそう言う事がある事を知ってしまうと、我が身に起こる疾病一つ一つにも「意味」がある事を悟り「さてこの病の意味は?」と考えてしまう。
さて、話を私の健康検診にもどそう。
もし「胃に悪性腫瘍」があるとしたら、それが、どういう心(無意識)の作用によって存在したのか?その可能性を鑑みなければならない。
先生が祖母の開腹手術の経験から、ひょっとしたら、私が祖母を模倣する恐れがあるかもしれないと言う事を仰った。
Google検索で「精神 模倣」を実行すると、無意識の模倣(人が意識せずに、何かをモデルとして、それと同じような行動と考えをもつ事)を論じている論文を簡単に見つける事ができる。
今回、緊急と言う事で電話でのセラピーとなったが、先生と言葉のやり取りをする中で、自分の中のもやもやが整理されてスッキリした気分で胃の再検査(精密検査)に望む事ができた。
家族の健康を管理する上でホームドクターの必要性が説かれて久しい。今回の一件で、自分の精神を管理する上でのかかりつけのセラピストの有用性を改めて感じた。他人に客観的にアドバイスを受けられるのは心強い。こう言う相談ができるのも継続的に自分の生活環境や仕事、家族関係、対人関係、食生活、自分の興味や関心のあるものなどを継続的に他者(セラピスト)に伝えているおかげである。
先生は今回のセラピーの最後にこう仰った。
こう胸に刻みなさい。「私は人間だ。私は自由だ。」と・・・・。
8、私の健康法
まず今回の再検査で悪性腫瘍が発見される事はない。・・自分でそう判断できる(思える)根拠、それにつながる「健康法」を紹介しておきます。
私は、十年以上前に、数千万単位の住宅ローン問題を抱えていたのだが、それが解決した後、現在に至るまで身体的には「如何に健康を維持するか?」をテーマに生活してきた。やはり、健康に勝る宝はないのだ。
丁度、世の中は健康ブーム・ダイエットブームであり、法律的には健康増進法まで施行される状況であった。
私の場合、大手のブランドホルダーから加工食品の生産を委託される生産工場に勤務していた経験から、加工食品を食べ続ける事の健康リスクは周知していたので、自分のライフスタイルに適した食生活を模索し続けました。
ここで加工食品の是非を問うつもりはないが、所謂、食品工場で生産される「加工食品」は、食品を加工する上での手間を減らす為、また、賞味期限を延ばす為、更には、現在のコンビニ流通形態に適合させる為、数多くの添加物を使用しています。その為、加工食品を摂ると知らないうちに、望みもしないのに、余計な添加物を体に取り入れる事になっています。
ですから、これも因果な話ですが、食品工場に勤務していた私が、加工食品をなるべく摂らない食生活を基本としました。
ネット上でも健康云々の話は沢山でてくるのですが、世の中に広く受け入れられた本で私が参考にした書籍で以下に2冊紹介します。
参考文献:
1、病気にならない生き方 -ミラクル・エンザイムが寿命を決める 新谷 弘実 (著)
新潟に出張した時にビジネスホテルの近くのコンビニで見つけた本。タイトルから新興宗教の本かとおもいきや内容は「内視鏡治療の第一人者」である著者が説く「胃相」の話には説得力がありました。私自身、この本を読んで牛乳の代わりに豆乳を飲むようになり、牛食をやめました。牛さんごめんなさい。
2、50歳を超えても30代に見える生き方「人生100年計画」の行程表 (講談社プラスアルファ新書) 南雲 吉則 (著)
たまたま京都に行く新幹線にのる前に博多駅の売店でみつけた本。著者の経験をもとに健康法を指南。この本の中で紹介された「ごぼう茶」を今も飲み続けています。^^
上記の本に共通して書いてある事は、健康的な生活を送りましょうと言う事です。
では、健康的な生活とは何か?
牛肉やハンバーグなど油脂を多く含んだ肉食を避け(魚介類はOK)、大豆加工品(納豆や豆腐)を摂りましょう。牛乳より「豆乳」を飲みましょう。毎日、疲労が蓄積されない有酸素運動(ウォーキング等)を継続ましょう。適度な入浴をしましょう。過度の飲酒や喫煙を控えましょう。そして規則正しい生活を送りましょうという事です。
私は臆病で一人暮らしの為、何よりも健康を害す事が怖かったので、なるべく上記の指針にしたがって生活してきました。
お陰様で50歳を目前にした私ですが、実年齢よりかなり若く見られますし、今のところ生活に支障をきたす様な疾病もありません。たまに、皮膚に自我が反映される事はありますが・・。
古来仏教の言葉に「因果応報」と言うのがあります。疾病するには疾病する理由があると言う理屈です。
そういう理屈でいけば、今の私には癌になる理由がない。だから私は癌にならない。・・・自分でそう思えたら、すっと楽な気分になりました。
これが、日頃から「暴飲暴食」を繰り返している人なら、戦々恐々として再検査を受ける事になるのかもしれません。後悔先に立たずと言います。^^
私と同世代で胃ガンとたたっかた人と言えば、元チェッカーズの高杢 禎彦氏。彼の闘病記やチェッカーズ解散への過程を綴った「チェッカーズ」は一読の価値あり。実はこの本は私の本棚に所蔵してあって、今、読み返してみても胃カメラをのむシーンもあり、「俺って胃がん?」と疑問に思った人間の感情の遷移をありのままに描写している。
癌については、みなさまの関心も高いと思いますので、機会を設けて別号で語りたいと思います。
9、胃カメラの実際
4月17日やっと胃カメラをのむ日がやってきた。
私が「胃の精密検査(胃カメラ)」を受けたのは、福岡市博多区上川端町の「健康財団クリニック」。殆ど自分の生活圏の中にあるのに、殆ど眼中になかった。中に入ってみると、健康財団の名の通り、健康診断や人間ドックに入りにきた人々で待合室はざわついていた。中にはCanonなどあからさまに企業のネームの入った制服をきている人もいて「就業時間中に検診に来たのね」とわかってしまう。
さて、今日は、他人の人間観察をしている場合ではない。今から「胃カメラ」という異物が自分の胃に挿入されるのだ。やはりあまり楽しい感じはしないが、自分の健康状態に白黒つけられるのでそれはそれで楽しみだ。
胃カメラ検査の前夜21時以降は絶食状態なのだが、検査前の緊張の為かあまり空腹感はない。
受付で、アレルギーなど過去の病歴などの問診票に必要事項を記入する。
しばらくして、自分の名前がよばれた「Aさん」。
まず、最初に飲まされたのはカップに入った「胃壁を見る時に邪魔になる泡を消す為の薬」を飲ませられる。これはシロップ状で甘かった。
次に、ゲル状の薬を口の中に入れられる。「うがいをする感じで、なるべく喉の奥にキープしておいて下さい」と言われたものの、唾液も溜まってくるし、途中で看護師さんを呼んで吐き出した。歯科治療の時にする麻酔のような感じで、少し口の中の感覚が鈍感になっているのがわかる。
最後に、喉に麻酔をする。看護士さんに霧吹きのようなもので、アルコールのような臭いする液体を喉に2回吹きかけらた。
これで胃カメラを飲む準備は完了。
胃カメラを操作する医師は、自分より遥かに若い、三十代位の方でした。
医師曰く「胃カメラ検査を受けるのにはコツがあって、喉を通す時にゴクリと飲み込むような感じでお願いします」と言われた。
もう「まな板の上の鯉」。ベッドに体を寝せるのではなく、大げさに言うと半身起こすような感じで半身で横たわる。ちょうど、上部から胃へカメラを落とすような感じになる。
それにしても医療技術の進歩は目覚しい。目前の15インチ位の液晶モニターにリアルな自分の胃壁が映し出される。医師は時折「これが十二指腸の入り口です」とか「これは腫瘍ですが良性で心配ありません」とか「これがポリープです」とか説明しながら、胃カメラを器用に操作し胃壁をチェックしている。
検査を受けている私は、胃カメラを挿入されているので、時折激しい吐き気に襲われながらも、先生の説明を真剣に聞いていた。これが世に云う「痛くもない腹をさぐられる」状態で、なんとも形容しがたい自分の胃の中に異物が挿入されいる変な感覚を味わうと同時に、先述の、新谷弘実先生が書かれた「病気にならない生き方」に書いてあった健康な胃:ピンク色で壁面がピカピカ光っている状態を自分の目で確認できている恍惚感とが複雑にからみあったSM的感覚を味わう事となった。
検査を受ける時に困った事がひとつ。胃袋を膨らませためにカメラには空気を送り込む機能がついているようだ。で、空気を送り込まれるとどうしても「ゲップ」がでて空気を吐き出してしまう。空気がでてしまうと、再度、空気を胃袋に入れて、そこから再チェックとなるので時間が長くなってしまう、なるべく「ゲップ」はしない方が賢明なのだが、なにせ初めて胃カメラを飲んでいる状況なので勝手がわからない。次回、胃カメラ検査を受ける事があったら、その辺の対策をたてて臨みたい。
検査が終わると、検査中に撮影した胃壁の画像を印画紙に焼いたものが既に先生の手元にあった。私は「きれいなピンク色の胃壁」に満足。少し自慢げに「先生、きれいな胃壁でしょ?」と言うと。先生は「そうですね。年齢にしては綺麗な胃ですね」と言われた。
これで、胃ガンの恐怖から解放された私は「今後も節制して、健康な胃で美味しい食事を取り続けよう」と誓ったのでした。
これなら集団検診で実施されいている「バリウム造影によるX線胃透視」より、だんぜん胃カメラの方がいいなぁと思いました。
参考に先述した「チェッカーズ」(著:高杢禎彦)より、高杢氏が胃カメラの検査を受けた部分を抜粋してお届けしよう。以下参考。
以下引用-------------------------------------------------------
さて、高橋先生、片手に胃カメラを持つと看護婦さん越しに、
「あのモニターに胃が映し出されますからね」
と言って、やさしく説明してくれた。この前の高橋先生の表情を見たら、まだ余裕があってまさかガンしゃないだろうという想いが感じ取れた。
ところが、胃カメラを入れてすぐ、食道から胃へ入ろうかというところで、モニターに大きな腫瘍がみれた。見えたというよりも、カメラがどうもその先、引っかかって入らない感じなのだ・・。
俺も焦ったけど。、高橋先生はもっと焦ったみたいだ。自分の体を使ってなんとか、俺から見えるモニターを隠そうとする。始める前は、「ここからみ見えますよ」って説明をしてくれたモニターなのに。
もう、完全にダメ。ガン決定! という瞬間だった。
後日、検査結果を聞きに高橋先生のところに行ったら、女房もいた手前か遠慮がちで的を射た説明をしてくれない。手ぶりを使って、・・・・・
以上引用-------------------------------------------------------
10、おわりに
今月の月刊精神分析は、私の集団検診での、胃の再検査(精密検査)胃カメラを通して「心は体のモニター」である事を論じてみましたがいかがでしょうか?
某ラジオのスポットでも「大丈夫だろうという慢心(まんしん)を捨てて、検診(けんしん)を受けましょう」と呼びかけています。それを聴いていた私も実は「自分は大丈夫だろう」と言う慢心を優先して生活している一人でした。
・・と言うか、人は日常生活を「多分、大丈夫な筈。今日も平々凡々とした一日が過ぎて行く筈」と言うなんの根拠もない安心、慢心を支えに過ごしているのではないでしょうか?宗教をしている人は「お題目をあげているから大丈夫」などと心の免罪符を利用しているかもしれません。
そして、不意に自分の身と心に危機が迫った時に「まさか」「ガン保険は入っていた方がいいのか?」「あぁ最近の生活は不摂生だっただろうか?」「もっと運動しておけばよかったのか?」などと慌てふためくのでした。^^
そして、まだ病気と決まったわけでもないのに一気に不安感が込み上げ、気分は陰々滅々となり、自分は明日にでも死んでしまうのではないかと妄想を膨らませてしまいます。
私の場合は幸いにして、毎月、精神分析(セラピー)を受けているので、定期的に自分の心の状態を第三者(セラピスト)に伝えて、自分の心の状態をチェックできています。心のホームドクターを持っているようなものです。掛り付けの「心のお医者さん」ですね。
人気俳優のマイケル・J・フォックス(バック・トゥ・ザ・フューチャー主演)が、セラピストの助けによってアルコール依存症から回復する様子は既刊の月刊精神分析でも紹介しました。
参考:月刊 精神分析 2010年09月号マイケル・J・フォックス と セラピー
欧米では掛り付けのセラピストを雇うのはごく一般的な事の様ですが、日本では、まだ一般的に認知されているとは言えない状況です。
私は思うに、日本のは古来、寺請制度や寺子屋があって、寺が今で言う「住民台帳の管理をする」役場の仕事や、村人の教育を行う「塾」の役目を負っていたり、寺の和尚さんが村人の心のケアをする相談役(セラピスト)の任を負っていたのではないでしょうか?村人の葬儀や法要、法事は精神分析の世界では「モーニングワーク」と言われます。
心も体も健康な日々を送りたいものです。
それでは、また来月もお会いしましょう。
平成24年05月31日 月刊精神分析 編集部A
感想のメールはlacan.fukuoka@gmail.comへ
----------------------------------------------------
追記:モーニングワークについて。
グリーフケアともいう。家族や友人などを失った人が、精神的・社会的に立ち直っていくための「悲嘆のプロセス」のこと。
モーニング(mourning)は、朝ではなく、モーニングスーツ(礼装)のほうで、この場合は「服喪・哀悼・喪服」といった意味である。
グリーフワークとは:人との離別(特に死別)時に自然と始まる、立ち直りのためのプロセスのこと。大切な人と死別したとき、遺族は大きな悲しみ(Grief、グリーフ)を感じ、長期にわたってさまざまな精神的な変化をたどる。具体的には、ショック期、喪失期、閉じこもり期、再生期といったプロセスである。大抵の場合、遺族たちは、故人のいない環境に適応して新しい心理的・人間的・社会関係を作っていくが、突然の事故等により死別した場合は、グリーフワークが完了するまでに長い時間がかかり、ときに、専門家(精神科医など)の助けが必要となってくる場合もある。このようなグリーフワークのプロセスを支えて見守ることがグリーフケアである。グリーフワークはモーニングワークともいう。
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